慶大・清原が1号！同点バックスクリーン弾 スタンドの父・和博氏へ「見たか！」

＜慶大・明大＞9回、同点ソロを放ち、吠える慶大・清原（撮影・松永　柊斗）

　◇東京六大学野球第3週第1日　慶大3―3明大（2024年9月28日　神宮）

　1回戦2試合が行われ、慶大は明大と対戦。西武、巨人などで活躍し、歴代5位の通算525本塁打を放った清原和博氏（57）の長男・正吾内野手（4年）が9回2死から中越えにリーグ戦初本塁打となる同点ソロを放ち、引き分けに持ち込んだ。

　この勝負強さは、父・和博氏譲りだろう。1点を追う9回2死無走者。清原は「もう僕がやるしかないと。僕が決めてやる」と決意を胸に打席に入った。来秋ドラフト候補の3年生右腕・大川の初球、真ん中高めのカットボールを強振すると、打球はバックスクリーン左に飛び込んだ。

　起死回生の同点ソロ。リーグ戦通算83打席目の初アーチとなり、バックネット裏で見守った父を指さし「見たか！」と叫んだ。毎試合欠かさず観戦してきた父は両手を固く握り、目を潤ませた。無安打2三振と沈黙していた4番打者。一振りで9回引き分けに持ち込み「最後に4番としての役割、仕事をしなきゃなと。覚悟を決めて腹をくくって打席に入った」と振り返った。

　慶応中ではバレーボール部、慶応高ではアメリカンフットボール部に所属し、6年ぶりに慶大で野球を再開した。「僕が野球を始めた目標の一つとして、ホームランボールを両親にプレゼントすることを掲げてきた」と家族にささげる一発。秋季リーグ戦前の12日にプロ志望届を提出したことで重圧もあった。9回の打席を迎えるまで16打数2安打、打率・125と低迷していたが、豪快な一振りでパワーヒッターとしての可能性を証明した。

　運命のドラフト会議は10月24日。残り25日に迫る中で「今はチームの勝利だけにフォーカスして頑張っていきたい」と4番の矜持（きょうじ）を口にした。（柳内　遼平）