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最後まで謙虚だった日本ハム・鍵谷 ケガを乗り越えて見せてくれた魂の9球

スポニチアネックス / 2024年9月30日 9時35分

引退式でファンに手を振りグランド一周する鍵谷

 また一人、現役を引退した。今年で34歳だった日本ハム・鍵谷陽平投手。引退試合となった今月25日の楽天戦(エスコンフィールド)では主戦場だったリリーフではなく、新庄剛志監督(52)の計らいで先発。最速147キロを計測するなど打者2人を無安打に抑え、12年間の現役生活に幕を下ろした。

 昨オフに巨人を戦力外となり、今季から育成契約で5年ぶりに古巣復帰。昨年12月に千葉・鎌ケ谷の2軍施設で再開した際、鍵谷はこう語っていた。「もう現役引退しようと思っていた」。22年の左脇肉離れなど度重なる故障の影響で、5年前とは投球スタイルが一変。全盛期の150キロ超の直球で押すスタイルから、変化球で打たせて取る投球に変わっていた。

 「頭の中に残っているんだよね。肉離れした時の感覚が」。出力を上げようと思っても、恐怖心で体が言うことを聞かなかった。変化球中心のだましだましな投球が続いていただけに、育成契約で戻ってきた古巣で再起を目指したが、全盛期の力強い直球は取り戻せなかった。家族にも「今年で最後かもしれない」と、地元函館で開催された5月25日のイースタン・リーグ巨人戦に招待していた。

 決しておごることなく、最後まで謙虚な男だった。「俺なんか引退試合をさせてもらえる選手ではない」「もう家族には函館で“引退試合”を見せられたから良いんだ」。チームのCS進出が懸かっていたこともあり「大事な時期に気を使わせたくない」と、一度は引退試合を断っていた。それでも、新庄監督の交渉もあってエスコンフィールドでの登板が実現した。

 度重なるケガを乗り越えて見せてくれた魂の9球。ラストマウンドでの姿は後輩たちにも響いたはずだ。ありがとう、鍵谷。本当にお疲れさま。(記者コラム・清藤 駿太)

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