阪神・佐藤蓮 CS秘密兵器だ! 秋山から譲り受けたグラブで零封 20年同期最遅1軍デビュー

＜神・D＞1イニングをパーフェクトに抑える1軍デビューを飾り、坂本（左）と握手をかわす阪神・佐藤蓮（撮影・北條　貴史）

　◇セ・リーグ　阪神0ー2DeNA（2024年9月30日　甲子園）

　待望のプロ初登板で圧巻デビューだ。プロ初の1軍昇格となった阪神の佐藤蓮が3番手として2点劣勢の7回から登板。先頭の代打・東妻に投じた初球は顔付近へ。そこから修正し、フルカウントからこの日最速の153キロ直球で遊ゴロに仕留めるなど3者凡退で抑えた。

　「いきなり球が抜けた。緊張していたんですけど、なんとか1人目のアウトが取れて、2人目からは落ちついて投げられた」

　グラブは今季限りで引退する秋山から今年2月に譲り受けたものを使用。「一緒のグラウンドで立てて野球ができてうれしい」と大先輩の思いも胸にマウンドに上がった。4年目の今季はウエスタン・リーグで49試合に登板して防御率2・03を誇っていた。

　同期入団の佐藤輝や伊藤将らが1軍で活躍する20年ドラフト組では最遅デビュー。「一緒にやりたいなと思いながらやってきた」。今年7月に支配下に復帰した苦労人。ドラフト3位右腕の台頭に岡田監督も「（DeNAに）ちょっと見せといて良かったんちゃう。暴れそうで暴れない。武器かもわからん」とCSで秘密兵器としても期待を寄せた。　（杉原　瑠夏）

　◇佐藤　蓮（さとう・れん）1998年（平10）4月11日生まれ、静岡県出身の26歳。飛龍では甲子園出場なし。上武大では1年冬に右肘手術を受け、4年時まで公式戦登板なし。20年ドラフト3位で阪神入団。22年、右肘痛や腰痛などでウエスタン9試合1勝3敗、防御率5・17に終わり、オフに育成選手で再契約した。今季7月22日に支配下選手復帰。1メートル89、103キロ。右投げ右打ち。