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中畑清氏 ベテラン生かし若手にチャンス V導いた巨人・阿部監督

スポニチアネックス / 2024年10月1日 5時31分

中畑清氏

 【キヨシスタイル!】やってくれたね。ジャイアンツ、4年ぶりの優勝。その瞬間、阿部監督の目に涙が光っていた。その監督と目を合わせた坂本、岡本和も…。3人の涙が全てを物語っていたような気がする。

 阿部監督は現役時代一緒にプレーした坂本に大きな期待を寄せててさ。思い通りの結果が出ず、苦しんだ序盤。6月末、ケガでもないのに2軍に落とした。勝負は8月に入ってからと踏んで、それまでに体調を万全にしてくれということだったんだろう。

 実績のある選手にはなかなかできない処遇。でも、悪けりゃ落とす。仲良し軍団じゃないんだ。丸や長野といったベテランには監督の本気モードが伝わっただろうし、チャンスをもらえる若手にはいい緊張感が走ったはずだ。

 坂本は苦しかったと思う。でも、一方的に突き放されたんじゃないってことが分かっている。9月11日の広島戦では0―2で迎えた9回。無死一、二塁の場面で阿部監督から「(サインは)何もないから好きに打ってこい」と耳打ちされて左前打。満塁として、この回一挙9点の大逆転につなげた。23日の阪神戦では0―0の7回、無死一、三塁から代打で右前に先制タイムリー。「1―0」返しでマジックを減らした。監督との絆が打たせたんだろうね。

 岡本和はチーム状況に応じて一塁、三塁、レフトとポジションを動かされたが、4番は不動。その座の苦しみを知っている阿部監督は期待に応えられない時期も我慢して、そのバットを信じた。私は打てなくても悔しさが伝わってこない主砲に物足りなさを感じていたが、終盤は勝負どころでいい仕事をして感情を少しずつ表に出すようになった。極め付きは主将としてビールかけの前の一言。「阿部監督、今泣いてたら日本一になったら失神しちゃうんじゃない?それはあかんで。まあ、でも失神させましょうか」。こういうのを待ってたんだ。

 喜怒哀楽といえば、阿部監督はずっと感情を押し殺しててさ。真逆の私は「反面キヨシ」と言うらしい。反面教師。なんでやねん。でも、怒れない。ベテランを生かし、19歳の浅野にもいいところでチャンスを与えてさ。2年連続4位のチームを優勝させたんだもん。阿部監督に心の底から敬意を表したい。(本紙評論家・中畑 清)

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