琴桜 “祖父超え” 全日本力士選士権で初優勝 先輩大関の貫禄 大の里を撃破

優勝者に贈られる選士権章を右腕に巻く琴桜

　日本最古の大相撲トーナメントとして今年で81回目を迎えた「全日本力士選士権」が30日、東京・両国国技館で行われた。32人が参加した幕内トーナメントは大関・琴桜が優勝戦で新大関・大の里を寄り切りで下し初優勝を果たした。

　琴桜は前日、昇進披露パーティーを済ませたばかりで疲労も蓄積していたが、師匠の佐渡ケ嶽親方（元関脇・琴ノ若）の「頑張ってこい」の激励に奮起。右四つに組んで前に出る相撲を徹底し、優勝戦は相手の上手を切って出し投げで揺さぶって寄り切った。

　祖父（元横綱・琴桜）も果たせなかった由緒ある大会制覇に「名前を入れることができて良かった」と優勝者が手にできる選士権章を右腕に巻いて誇らしげな表情。秋場所は8勝に終わったが、優勝力士を下し先輩大関の貫禄を示した。本場所での悲願の初優勝へ、「これを本場所につなげることが大事」と九州場所（11月10日初日、福岡国際センター）を見据えていた。