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8カ月前には夢にも思わなかったメジャー登板ゼロ 日本か米3年目か…藤浪晋太郎の決断やいかに

スポニチアネックス / 2024年10月4日 7時0分

メッツ・藤浪(AP)

 メッツ傘下3Aシラキュースの藤浪晋太郎投手(30)をサポートするスタッフと2月上旬、「ニューヨークで会いましょう」というメッセージをやり取りしたのがつい先日のことのように感じられる。藤浪とメッツの契約が決まってから約8カ月。結局、そのスタッフともシティ・フィールドで一度も顔を合わせないままシーズンを終えるとは夢にも思わなかった。

 1年335万ドル(約4億9300万円)でメッツと契約した藤浪だったが、2年目の今季はメジャー登板ゼロ。マイナーでは合計4球団に所属し、33試合で1勝2敗1セーブ、防御率5・94と見栄えのしない成績で終わった。

 「今オフ、日本のチームからもオファーは来るだろう。それは米国のチームからも同じはずだ。最終的にどうするかは彼次第。私たちの仕事は、彼に選択肢を与えることだ。彼なら日本に帰ったらまた大きな成功を手にできる。まだ米国でも成功できると見ている。その鍵は健康な身体を得られるかどうかだ」

 9月下旬、ロサンゼルスで顔を合わせたスコット・ボラス代理人に問うと、今後に関しては前向きともとれる言葉を残していた。そんな言葉に反し、剛腕に帰国を勧める声はファンの間からも出てくるのかもしれない。マイナーでも苦しんだシーズンを終え、30歳を過ぎてからメジャーでの伸びしろを考えるのは通常ならばやはり難しいからだ。

 ただ…。そんな考え方が一般的であると思う半面、莫大なポテンシャルを備えた藤浪には依然としてわずかな期待も寄せたくなる。もちろん代理人が選手の商品価値を保とうとするのは当然だが、ボラス氏のこんな言葉は単なるセールストークに思えなかったからだ。

 「シーズン後半、好投できたのはコンディションが良くなったからだ。能力が問題だったわけではない。昨年、オリオールズの一員として彼はいい仕事をした。今春は体調が悪く、おかげで制球が安定しなかった。シーズン終盤、投球内容が良くなったことに各チームは気づいているよ」

 今季は右肩痛にも悩まされたが、状態が向上した8月の藤浪は8試合(12イニング)でメッツ3Aではトップの防御率1・50。今年の実績はマイナーでのものとはいえ、好調時はアメリカの強打者相手にも好投できることは2023年、オリオールズ時代に示したことでもある。

 日本でも多くの大舞台を経験した藤浪が、ニューヨークのファンの前でどんな投球をするのかを見てみたかった。そんな希望はかなわなかったとしても、健康体に戻った今季後半、良い時の片鱗を示したのだとすれば、来季にもう一度、それを米国で試してほしいと願うファンは少なからずいるはずである。

 「去年のオフは6、7チームが興味を持った。100マイルの速球を投げられる投手は、どこでベースボールをやることになっても興味を持たれるものだ」

 ボラス氏はそう述べていたものの、現実的には来季米国で藤浪が手にできるのはマイナー契約かもしれない。日本ではもう少し好条件が望めそうなだけに、どんな決断を下すかに興味はそそられる。メジャー登板が一度もかなわなかった後でもこんなふうに思えるのは、藤浪の素質がそれほど素晴らしく、さまざまな意味で魅力のある投手だからに違いあるまい。(記者コラム・杉浦大介通信員)

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