松坂大輔氏が見た大谷の一撃 徹底された高め直球「紙一重の勝負」制した
スポニチアネックス / 2024年10月7日 1時33分
◇ナ・リーグ地区シリーズ第1戦 ドジャース7-5パドレス(2024年10月5日 ロサンゼルス)
【平成の怪物が行く 松坂大輔の探球】元西武の松坂大輔氏(44=本紙評論家)が5日(日本時間6日)、ナ・リーグ地区S第1戦を取材。大谷が2回に放った同点3ランを「紙一重の勝負」と表現した。大谷に対し、パドレス投手陣は高めに直球を投げ込む力の配球。大谷も力で対抗し、高めのボール球を打ち砕いた。5打席のうち4度の決め球が高めの直球。今後も力の攻防が続くとみた。
完全なボール球でした。2回。大谷選手の同点3ランは、シース投手が投じた高めの156キロ直球を捉えたものでした。失投ではないですし、例えばもう1個分、ボールが高かったら結果は分からなかった。打たれるか、抑えるか――。まさに「紙一重の勝負」だったと思います。
パ軍は大谷選手を高めの強いボールで仕留めにきました。狙うのは空振りやファウル、ポップフライ…。初回は6球目、これも高めのボール球の160キロ直球で左飛でした。ただ、大谷選手の打撃自体は感じが良さそうだと思いましたし、チャンスの場面ではシーズン終盤と同様に打ちそうな雰囲気がありました。それが第2打席。1打席目と同じ高めの直球を今度は打ち砕きました。
ただ、大谷選手を抑えるにはやはり高めの強い、力のある直球を使わなければいけない。投手が代わっても攻め方は徹底していて4回の詰まった中前打、8回の空振り三振も最後は高めの直球。この日の力と力の勝負は大谷選手に軍配が上がりましたが、パ軍のマイク・シルト監督が「苦手な場所」と指摘したように、今後も紙一重の攻防が続くでしょう。
自分がポストシーズンの試合に初めて登板したのはレッドソックス時代の07年。ファンの方が普段以上に盛り上がり、球場全体が独特の雰囲気に包まれていました。そんな中で先発した山本投手は、真っすぐなどボール自体は良かったと思います。試合後、大谷選手に「勝って良かったな」と声をかけられたとのことですが、この「勝ち運」が実は短期決戦では大事。山本投手は直近4試合で自身は1勝も、チームは4連勝です。今季パ軍には3試合で防御率13・00と苦戦していますが、勝負の第5戦が行われた場合の先発登板、大いに期待しています。(本紙評論家)
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