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卓球・張本美和の時代!中国選手から2勝で50年ぶり中国撃破 2年半で世界624位→7位、進化証明

スポニチアネックス / 2024年10月11日 3時2分

張本美和

 ◇卓球 アジア選手権第3日 日本3-1中国(2024年10月9日 カザフスタン・アスタナ)

 女子団体決勝が行われ、日本は中国を3―1で破り、21年ドーハ大会以来となる2大会ぶりの優勝を果たした。中国を破っての制覇は1974年(横浜)以来、50年ぶりとなった。張本美和(16=木下グループ)が第1試合で世界ランキング4位の王芸迪(オウ・ゲイテキ、27)に3―2で競り勝ち、第4試合では同1位の孫穎莎(ソン・エイサ、23)に3―2で逆転勝ち。2勝を挙げて歴史的な大金星に導いた。

 16歳とは思えない堂々とした戦いぶりで、張本美が半世紀ぶりとなる歴史の扉をこじ開けた。パリ五輪の決勝で0―3と完敗した中国との再戦。第1試合で世界ランク4位の王芸迪を撃破した。第1ゲームを落としながらも第2、第3ゲームと連取。第4ゲームを落として並ばれても第5ゲームを11―9で制して先勝。「相手に対応されると得点できないのが課題」と話してきたが、最高の形で進化を示した。

 最大のハイライトはまだ先だった。第2試合で伊藤が敗れ、第3試合で平野が勝利。第4試合に再び登場した。今度は過去6戦全敗で世界ランク1位の孫穎莎と向かい合った。平野が通算1勝6敗、早田ひな(日本生命)が通算0勝16敗という日本勢の天敵。序盤から主導権を握られ第1、第2ゲームを落としたが、徐々に相手の速攻に対応した。ラリーでも上回り第3、第4ゲームを制すると第5ゲームは11―6。0―2から3ゲーム連取の大逆転で世界女王から“7度目の正直”となる初白星。ベンチに戻って仲間と笑顔でハイタッチした。

 まだ高校1年生でも、この2年半の成長は飛躍的だ。22年3月に624位だった世界ランクは現在7位。パリ五輪の選考レースは伊藤に次ぐ4位だったが、中国勢に対する強さなども評価されて早田、平野に続いて団体要員の3枠目に選ばれた。大舞台では3人で力を合わせて銀メダル。決勝で中国に敗れても「全試合、楽しめた。先輩のおかげで最初から最後まで自分のプレーをできて、凄く良い大会だった」と充実感に浸った。

 パリから帰国してもほぼ休むことなく練習を続け、Tリーグや世界ツアーを戦いながら今大会を迎えた。パリ五輪シングルス銅メダルで左手首付近の負傷明けの早田が試合メンバーから外れる中、2勝というエースの働きを見せ、過去に何度も主要大会の決勝で敗れてきた中国の牙城を崩した。あまりにも大きな歴史的勝利。16歳にとっても、日本にとっても今後の覇権争いに自信のつく中国撃破となりそうだ。

【張本美和はこんな選手】

 ☆生年月日とサイズ 2008年(平20)6月16日生まれ、仙台市出身の16歳。父・宇さんがコーチ、母・凌さんは95年世界選手権の中国代表。1メートル66。右シェーク・ドライブ攻撃型。

 ☆競技歴 2歳で卓球を始め、仙台ジュニアクラブでプレー。中学になって関東へと引っ越し、木下アカデミーに入る。今春に通信制の星槎国際高横浜に進学し、現在は木下グループ所属。Tリーグは18年から神奈川の一員として戦っている。

 ☆成績 15年に全日本選手権バンビの部で優勝。21年に世界ユース選手権U15で4冠。今年の全日本選手権は準優勝。今夏のパリ五輪は団体で銀メダル。

 ☆得意科目 両親の方針で勉強もおろそかにすることはなく、小学時代は算数が得意。中学生になって遠征が増えると毎日授業に行くことが困難となり「数学は難しすぎて全く分からない」。一方で暗記系が得意になり、現在は歴史と社会が好き。

 ☆趣味 ダンスを踊ること。K―POP好きで、推しは韓国の9人組ガールズグループ「TWICE」。

【卓球日本勢の主な金星】

 ☆17年アジア選手権(中国) 女子シングルスで17歳の平野が中国勢に3連勝し優勝。準々決勝でリオ五輪金メダルで世界1位の丁寧(テイ・ネイ)、準決勝で同2位の朱雨玲(シュ・ウレイ)、決勝で同5位の陳夢(チン・ム)を撃破。大会最年少優勝を飾った。

 ☆18年世界選手権団体戦(スウェーデン) 女子決勝の第1試合で日本は中国と対戦。伊藤が対日本勢に37連勝中だった劉詩ブン(リュウ・シブン)に3―2で逆転勝利。日本勢は準優勝だった。

 ☆21年東京五輪 混合ダブルス決勝で水谷、伊藤組が中国の許〓(キョ・キン)、劉詩ブン組から4―3の逆転勝ち。五輪ではシングルス、ダブルス、団体戦で28戦全敗だった中国勢を撃破し、日本勢初の金メダルを獲得。

《美宇も天敵下す》 第3試合に登場した平野が世界ランク6位の陳幸同(チン・コウドウ)を3―1で下し、流れを引き戻した。過去6戦全敗だった相手に対して第1ゲームを11―9で競り勝つと、続く第2ゲームを落としたが、第3、第4ゲームを連取した。パリ五輪後は「自分の中で目標やテーマが定まっていない。考えないといけない」と自問自答を続けながらも、国際大会で結果を残した。

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