1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

難聴は認知症に直結…危険因子第1位 指こすりテストが軽度でも一度受診を!!動脈硬化が聴力に影響

スポニチアネックス / 2024年10月11日 5時2分

石井正則先生に難聴と認知症、補聴器について教えていただきました

 【生島ヒロシ オヤジの処方箋】芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(73)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は、難聴と認知症の関係を取り上げます。

 皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。秋の陽気になって、朝晩もちょっと肌寒くなってきました。風邪をひかないように、注意してくださいね。

 今日は“耳より”なお話ですよ。「聴力」について。最近、テレビの音が聞こえづらくなったなぁと思っている方、実は聴力は認知症に直結するんですって。著書「70歳から難聴・耳鳴り・認知症を防ぐ対処法」(さくら舎)が話題になっている、JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科の診療部長、石井正則先生に詳しくうかがっていきましょう。

 石井先生、年を取れば誰しも聞こえにくくなりますよね。

 「加齢性難聴は、大体の方がなります。男性は40代前半から50代前半、女性は40代後半から50代後半でなることが多いです。大規模な調査で、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症、糖尿病など生活習慣病がある方は、難聴が早く起こりやすいということが分かりました。生活習慣病を放置すると、難聴が進行していくという結果も出ています」

 生活習慣病はメタボ体形になるというイメージ。聴力とはつながらないんですが。

 「耳は外側から、大きく外耳、中耳、内耳に分かれています。このうち、脳に音を伝える器官、蝸牛(かぎゅう)がある内耳の周りには細い動脈がとぐろを巻いています。生活習慣病になると動脈硬化が起こりやすく、その動脈硬化の影響で蝸牛の中にある細胞に栄養が行き渡らなくなる。結果として細胞の機能が落ちて、高い音から聞こえづらくなっていきます」

 動脈硬化が原因ですか。

 「蝸牛の中の細胞は毛が生えている有毛細胞で、音が入ってきてこの毛が振動することで脳に音が伝わります。有毛細胞に栄養が届かないと、この毛がどんどんと抜けていきます。それで聞こえづらくなっていくのです。しかもこの毛は、一度抜けたら生えてきません。頭髪のような育毛剤はないのです」

 それは深刻です。抜けないようにするにはどうすればいいんですか。

 「生活習慣病の改善が大事。血流を良くするには、心地よく汗をかく有酸素運動が決め手になります。ホットヨガのように強制的に汗をかくとよくないという結果も出ています。あくまでも“心地よく”汗をかく有酸素運動を心がけてください」

 自分はどれくらいの難聴なのか、耳鼻科に行った方がいいのか、判断する方法はありますか?

 「指こすりテスト、というチェック法があります。腕を横に伸ばした状態で、乾いた親指、人さし指、中指の3本の指先をこすり合わせてください。このカサカサという音は約1000~3000(平均2000)ヘルツで、この音が聞こえなければ、軽度の難聴と考えられます。次に、腕を曲げて同じようにこすってください。耳から、大体50センチぐらいです。ここで聞こえなければ中等度の難聴の可能性があります」

 中等度の疑いがあったら、耳鼻科に行けばいいですか?

 「軽度でも診察を受けることをお勧めします」

 軽度でも、ですか。

 「難聴が認知症につながる危険因子の第1位になっているからです。耳から入る情報が減ると、脳の中で情報伝達のために作られる“シナプス”という構造も減少し、これが認知症の発症に影響することが明らかになっています。国際アルツハイマー病会議でも報告されています。聞こえづらいと、人と会話をするのもおっくうになり、外出する機会も減る。孤独は認知症につながる。聞こえづらくなったら補聴器を使ってください」

 補聴器は抵抗がある、という方も多いかもしれません。

 「G7(先進7カ国)の中で、日本は補聴器の装用率が桁違いに低い。年寄りに見える、恥ずかしい、などと考える方が多いようです。補聴器を使うと認知症になりにくいというデータも出てきています。補聴器は安くはありませんが、補助を出している自治体もありますし、日本耳鼻咽喉科頭頸部(けいぶ)外科学会認定の補聴器相談医を受診して作れば、医療費控除の対象にもなります」

 補助が出るんですか。

 「眼鏡を作る時にレンズを何枚も替えて調整するように、補聴器もその人に合った調整が大事です。どの音域が聞こえて、どの音域が聞こえないのか。調整の専門家、認定補聴器技能者が常駐している店舗での購入をお勧めします」

 “指こすりテスト”で不安に思った方は、耳鼻科で聴力検査を受けましょう。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は聴力検査に力を入れていて、還暦を迎えたマッチこと近藤真彦出演の啓発CMを作っているほど。聞こえないのは年だからと、難聴を放置してはいけません。その先に認知症があるんですから。

 ◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の73歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。健康に関する名物コーナーに登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。元為替ディーラーで経済評論家の岩本さゆみ氏との共著「日本経済 本当はどうなってる?」(青春出版社)が販売中。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください