日本ハム・新庄監督 ロッテ・朗希攻略に自信「5回までに200球」 予告先発に驚きも

会見で質疑に答える日本ハム・新庄監督（撮影・高橋　茂夫）

　プロ野球は12日、「2024　JERAクライマックスシリーズ（CS）　セ」と「2024　パーソルクライマックスシリーズ　パ」が開幕する。3試合制のファーストステージはパは2位の日本ハムが3位のロッテをエスコンフィールドに、セは2位の阪神が3位のDeNAを甲子園に迎えて対戦。下克上での日本一を狙う日本ハムは新庄剛志監督（52）が、怪物右腕の佐々木朗希投手（22）の攻略に自信を示した。

　決戦前日の監督会見。新庄監督はロッテの吉井監督が予告先発で佐々木の名を告げると一瞬、驚いた表情を見せ「え？小島君じゃないんですね？3日間、小島君（の想定）で（練習を）やってきました」と反応。それでもすぐに気持ちを切り替え、“新庄節”で怪物攻略に自信を見せた。

　「佐々木君は塁に出られることが少ない。何とか粘って粘って、5回までに200球くらい投げさせる」

　今季、佐々木が先発だった5試合は4勝1分けでパ・リーグで唯一、白星を与えなかった。さらに本拠地で対戦した5月10日は徹底して低めのフォークを見極め5四球を選ぶなど6回途中でプロ最多の123球を投げさせ、土をつけた。2連勝で突破が決まる超短期決戦ではレギュラーシーズンとは異なる配球となることも予想されるが「どう四球を選んで先の塁に行くか」と我慢比べに挑む方針だ。打線のキーマンには「レイエスかな。後半の勢い、やばくないですか」と8月以降は17本塁打でチームトップ25発の助っ人を指名。各打者が粘って出塁を果たし、レイエスで還す形が理想型となる。

　自軍の予告先発を問われた際は「田中正義君でいきます」と今季20セーブを挙げた右腕の名を挙げ「あ、違った。加藤（貴）投手で」と冗談を飛ばす余裕も。今季のエスコンのデーゲームでの同戦は4戦4勝と“吉兆データ”もある。ポストシーズンの結果を踏まえて自身の去就について決断を下す意向の新庄監督は「ロッテに負けようがソフトバンクに負けようが、日本シリーズに行けなかったら一緒」と力を込める。

　2年連続最下位から就任3年目で2位まで巻き返し、たどり着いた舞台。新庄監督も「たくさんのファンに勝ちを見せたい。ここから楽しみ」と目を輝かせる。まずは難敵の佐々木を攻略し、下克上ロードを駆け上がる。（田中　健人）

　▽CSファーストS開催要項

　（1）試合方式　3試合制。先に2勝したチームを勝者とする。全試合で上位球団がホームチーム。延長戦は12回制で、12回終了時に同点の場合は引き分け。再試合は行わない。引き分けを除く勝ち数が同じ場合、上位球団を勝者とする。

　（2）日程　悪天候などでファイナルS前日の15日までに所定の試合が消化できない場合、その時点で勝ち数の多い球団が勝者。同数なら上位球団を勝者とする。

　（3）コールドゲーム　ステージ勝ち上がりが確定した時点でコールドとなる。後攻チームが王手をかけ、12回の先攻チームの攻撃終了時に同点の場合は12回裏は行わない。また12回裏の攻撃中に後攻チームが追いついた場合、その時点でコールドゲームとなる。

　（4）予告先発　両リーグで実施。

　（5）審判員　6人制。