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阪神・岡田監督 全虎党にささぐ「1年間の総決算」 負ければ終わりのCS采配「最後の最後まで全力へ」

スポニチアネックス / 2024年10月12日 5時16分

会見に臨んだ阪神・岡田監督 (撮影・須田 麻祐子)

 プロ野球は12日、「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」が開幕する。今季限りで退任する阪神・岡田彰布監督(66)は11日、兵庫県西宮市の甲子園球場で行われた共同記者会見に出席。虎党のために2年連続日本一に挑む強い決意を示した。リーグ3位・DeNAと戦うファーストステージ(S)第1戦の先発を今季13勝の才木浩人投手(25)に託した。

 誰よりも猛虎を思い、愛し続けた岡田監督らしいメッセージだ。既に今季限りでの退任が決まり、負ければユニホームを脱がなければならない戦いを前に、ファンのために戦う決意を示した。

 「1年間の総決算というか、いいところ、悪いところはあったけどそれは抜きにして、今のチームでゲームがある限り、最後の最後まで全力でいいゲームをしたい。それで勝ち抜ければ一番いい。素晴らしいファンがいる。凄いゲームをたくさんやっていきたい」

 敵将・三浦監督が同席し、巨人・阿部監督とはオンラインでつながった会見の冒頭には「(レギュラーシーズンの)最後、盛り上がった勢いを継続して、良い試合、最後まで分からない、ファンに感動を与えられるような試合をしたい」とも宣言した。虎党への思いがにじむ。タイガースの有力支援者だった父・勇郎さんに連れられて甲子園で観戦したのは幼少期。三塁スタンドから長嶋、王にやじを飛ばした。タイガースとともに歩んだ人生。ファンの喜びは、自身の喜びと言えた。

 12日の初戦は才木に託した。会見で予告先発を明かし、「(今季)躍進を遂げ、チームの勝ち頭で1年間ローテを守った。大事な初戦を託すのは当然」と期待を寄せた。今季は何度も助けられた。チーム連敗時に先発して6勝。「連敗ストッパー」も担ったローテーションの柱に、「両エースが投げるここ(初戦)を全力でいかないと勝機はない。ポイントは明日(12日)の先発」と位置付ける、2戦先勝の短期決戦のアタマを任せるのは自然な流れだった。

 チームは今季、DeNAによく打たれた。対戦防御率3・24はカード別ワースト。警戒するのは牧、佐野、オースティン、宮崎の強打者カルテット。「このへんをどう抑えるか、どう塁に出さないかがポイントになる」。強力打線封じが勝利への近道になる。

 練習ではシートノックをじっと見つめた。外野はカットへ低く強く投げる――。岡田イズムの象徴がチームに根付いたことを、その目で確認した。風邪で前日まで2日間自宅で療養した。まだ万全でないのか、歩様はゆっくりで、時折、腰に手を回し「フー」と深呼吸した。甲子園の熱狂を力に変え、最後の戦いに挑む。(倉世古 洋平)

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