山藤章二さん ジャンル問わずに幅広く活躍した才人だった
スポニチアネックス / 2024年10月12日 14時29分
【佐藤雅昭の芸能楽書き帳】イラストレーターの山藤章二さんが9月30日に老衰のため87歳で亡くなった。「週刊朝日」の時事漫画連載「山藤章二のブラック・アングル」は2021年12月まで45年続いた名物コラム。ジャンル問わずに幅広く活躍した才人さんだった。
スポニチもずいぶんお世話になった。1974年に「軟派にっぽんの100人」を連載。作詞家で作家の阿久悠さんが97年に連載した小説「球心蔵 六甲おろしがこだまする」には絵を添えてくれたが、熱烈な阪神ファンだったから1枚1枚に気合いがこもっていた気がする。
イラストを受け取りに東京・品川区のご自宅に何度か伺ったが、優しく迎えてくれた妻で随筆家の米子さんも昨年末に先立っている。喪失感がまだまだ消えない中で永遠の眠りについた。
スポニチ本紙が文化や芸術に貢献した人物を表彰する「スポニチ文化芸術大賞」の優秀賞を受賞。選考委員も長く務めてくれた。阿久悠さん、演出家の久世光彦さん、岩波ホール総支配人の高野悦子さん、映画評論家の八森稔さん、映画監督の崔洋一さん、スポニチOBで音楽評論家の小西良太郎さん、そして山藤さんまで、多くの委員が鬼籍に入った。
手元に1冊の本がある。「落語政談 私は栄ちゃんと呼ばれたい」(立風書房)で、著者は落語家の五代目柳家つばめだ。「吉田茂を偲ぶ」「佐藤栄作の正体」「ゲバラ日記」「古狐ド・ゴール」などなど、政治、社会など時局をとらえた創作落語を掲載したもので、今読んでも新しい。
装幀・カットを担当したのが山藤さん。初版発行は1971年4月20日とある。山藤さんが「世相あぶり出し」などのイラストで風刺に本腰を入れ始めたころだ。
落語にも造詣が深かった。99年、郵政省仕様による「平成十一年 笑門来福 落語切手」の原画を担当。五代目古今亭志ん生「火えん太鼓」、八代目桂文楽「船徳」、六代目三遊亭圓生「小言幸兵衛」、五代目柳家小さん「時そば」、三代目桂米朝「百年目」のイラストが80円切手となって発売された。
映像がほとんど残っていない志ん生の噺を山藤さんがアニメーションで映像化した「山藤章二のラクゴニメ」(1~4、2000年)も忘れられない仕事。志ん生ファンにはたまらないDVDだ。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
史上初!8人の落語家が、山形・福島・宮城で「ご当地落語」を再演。計11回のご当地落語 東北ツアー開催決定!
PR TIMES / 2024年10月9日 16時45分
-
立川志らく 山藤章二さんを偲ぶ「テレビに出るようになった私を先生は心配していたが…」
東スポWEB / 2024年10月1日 14時18分
-
ブラック・アングル山藤章二さん死去 「週刊朝日」を後ろから読ませた
J-CASTニュース / 2024年10月1日 10時47分
-
<あのころ>古今亭志ん朝さんが死去 23年前の10月1日
共同通信 / 2024年10月1日 0時1分
-
【横浜にぎわい座】横浜の寄席ならではのプログラムを名手の話芸で堪能する―「ハマっ子気質 名作落語の夕べ」
PR TIMES / 2024年9月30日 17時15分
ランキング
-
1和田アキ子 生放送での発言を反省&謝罪「ほんとに人間性が」「言わんでいいこと言って…だめだね」
スポニチアネックス / 2024年10月19日 13時6分
-
2「棒読み」と言われがちだけど…唐田えりかが“日本エンタメ界の宝”と言えるワケ|『極悪女王』
女子SPA! / 2024年10月18日 8時46分
-
3小泉孝太郎 やす子がロケ中に突然の“逃走”…困惑「僕は何もおかしいことしてないですよね?」
スポニチアネックス / 2024年10月16日 21時40分
-
4「億負けてから出直してこい!」粗品、ボートレースガチ勢アイドルを“にわか評論”でファン失笑
週刊女性PRIME / 2024年10月19日 16時30分
-
5フワちゃんは許された? 結婚式出席に《元気そうで》と冷静な声相次ぐ一方、オワコンの懸念も
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年10月19日 9時26分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください