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【単独インタビュー】グリズリーズ・河村勇輝 モラントとの会話は「止まるな、逃げろって」

スポニチアネックス / 2024年10月13日 23時3分

相手の間を抜けようとするグリズリーズ・河村勇輝(AP)

 NBAグリズリーズと無保証のエキシビット10契約を結ぶ河村勇輝(23)が、現地時間12日(日本時間13日)プレシーズンマッチ3戦目となる敵地ブルズ戦で第1Qから途中出場。絶品ノールックパスなどプレシーズン最多となる8アシストそして2得点をマーク。チームは最大21点差を逆転して124ー121で接戦の展開を制した。

 この日の河村はプレーメイカーとしての力量を誇示し、ドラフト1位新人ザック・イディーのダンクをアシストして敵地のファンをどよめかせる場面も。

 ディフェンスでもより大柄な選手のガードに奮闘。また、チームメイトとのコミュニケーションも良好で、最終クオーター残り3.9秒で相手の反則を誘った際にはエースのジャ・モラントから直々にアドバイスを受けるシーンもあった。

 試合終了後、河村はスポニチの単独インタビューに応じた。そこでの話題はブルズ戦での活躍、アメリカでのプレースタイル、今後の課題、英語でのコミュニケーション、モラントとのオリジナルのハンドシェイク、古巣横浜ビー・コルセアーズへの思いなど、多岐に及んだ。河村との質疑応答は以下の通り。

 ――23分48秒という長いプレータイムは驚いたか

 「今日はスターターのメンバーがだいぶケガもあったりとかで僕たちの出番が多くなる可能性は試合前に言われたので、常に準備はしていました。決め切れたシュートもありました。あとはターンオーバーだったり、ディフェンスのコミュニケーションのところだったりとか、課題もありました。そこにはしっかりと向き合いながら、でもやっぱり最終的にチームが勝てたことが何よりも嬉しいことです。こうやってベンチメンバーがしっかり勝つことで、スターターのメンバーが気持ちよくいい流れで次の試合に臨めます。そうやって戦うのも僕たちの仕事の1つだと思っているので、それはよかったかなと思います」

 ――この3試合、プレーメイキングの面は力が出せていると感じるか

 「監督からは常にリングにアタックして、アシストを求められています。あとは相手に決められてもその後にすぐにボールをインバウンズして、速い展開に持っていくってことをベンチから出る前にも言われています。僕が入ってからずっと言われているそれらををやることでチームにいい流れを作れている時間帯はあるんじゃないかなと思っています」

 ――日本ではスコアラーの能力が際立ったが、アメリカではプレーメイカー寄り。それは意識しているのか、自然とそうなるのか

 「どっちももちろんありますね。簡単に得点はさせてくれないし、もともと監督やチームから求められているのはアンセルフィッシュにプレーメイキングをして、アシストすることでもあります。パス能力を評価してもらってこのチームに呼ばれました。監督のチーム構想上、僕(の役割)はプレーメイキングしてアシストすること。そこでガンガン点を取りにいってしまったら、考えていたチーム構成とは変わって来てしまいます。だからといって得点を狙いにいかないってことではないんですけど、しっかりとプレーメイキングを第一に考えながら、その中で、完全にシュートを打てるっていうタイミングが来たら思い切り打つ。そういう感じですかね」

 ――3P、フィニッシュは課題になっているのか

 「3Pに関して言えば、タフなシュートを打ってしまっていることもありますが、ちゃんと打てているときもあるので、あとはしっかり決め切ること。デビュー戦から1本しか決められていないですけど、だからといって空いた時に打つことを躊躇(ちゅうちょ)していたらチームの流れも悪くなってしまいます。自分の流れも悪くなるし、そうなったら自分の強みのアシストも消えてしまいます。そう言った意味でも、空いたらしっかり打つってことは心に留めておきたいです。入っていなくて、選択肢が2つあるのであれば、ドライブをするっていう方になりますけど、完全に空いてたらやっぱりしっかり打ちにいくっていうのは決めています。その中でも決め切れなかった部分はもちろん課題だと思っています。あとはドライブは簡単にはさせてもらえないので、そこはもう一つ、二つと工夫していかなければいけません。(チームが)クリエイトして欲しい時間帯に僕がクリエイトできないこともあったので、そこはもっとスキルを高めたり、タイミングをずらす練習をしたりとか、改善が必要かなと思います」

 ――ディフェンス面ではジョシュ・ギディー、ザック・ラビーンといった大柄な選手をガードしてもそこまで押されていなかった。以前、ジョシュ・ホーキンソンが「ユウキは小柄でも体の使い方がうまい」と話していたが、自身でもそれは感じるか

 「今はまだ3試合ですけど、その中でガードしたのももちろんフィジカルは強い選手たちでした。高さでやられてしまうことは何回かありましたが、ディフェンスがやれないと思ったことは正直まだないです。その気持ちになった時点でやられてしまうというのがNBAの世界だと思うので、ディフェンス時には僕みたいにサイズがない選手は常に(強い)気持ちを持って、足を動かし、手を使って、使えるファウルは使いながら、やっていかなければいけないと思っています。今日もスティールは1本ありましたし、身体を使ってディフェンスしないといけないなとは思っています」

 ――英会話は大変だと話していたが、コートでのコミュニケーションは円滑に見える

 「今のところオンコートのコミュニケーションは結構スムーズです。コーチが何言っているかも理解できますし、本当に優しいチームメイトばかりなんで、分かりやすく言ってくれます。そこは正直、苦ではないです。正確に聞き取れないといけないとは思っていて、まだまだ完全にそれはできていないかもしれませんね。ただ、言っていることのニュアンスだったりは理解できていると思っています。それよりもオフコートとか、インタビューとかはまだ全然大変かなという感じです(笑)」

 ――確かに質問するよりも、質問されてスムーズに答えるのは簡単ではない

 「そうですね、そっちの方が全然大変です」

 ――生活面でもたとえばレストランでの注文などは

 「注文はまあ「Can I get this one?」とかで、指差しながらやればなんとかなりますね。とにかくできるだけチームメイトとコミュニケーションは取るようにしています。徐々に慣れて来てはいるんじゃないかなと思ってはいますけど、まだまだ勉強はしないといけないです」

 ――今夜の最後、ジャ・モラントに何か指示を受けていた

 「最後のボールをインバウンズされて持った後、止まるな、逃げろって言われたんです。ボールをもらったときに少し止まってしまったので、それで相手に来られて、結局ファウルされてフリースローになったんです。あれはもっと反対(自軍)のリングに向かうくらい逃げて、止まるなって言われました」

 ――そして試合終了後、モラントとオリジナルのシェイクハンドをしていた

 「あ、そうです(笑)。ずっと“キャップ”って帽子の話をしています。(手で帽子を取るジェスチャーをしながら)これが帽子の意味なんですけど、そうやっていつもふざけています」

 ――以前、「いつカットされるかわからない」という話をしていたが、その危機感が悪い意味でプレーに影響していない感じはする

 「ああ、そうですね。決めるのは僕ではなくて監督や組織の方々です。僕は自分のできることを最大限にやり、そこに注力する。やはりチームが勝てば雰囲気はよくなるし、僕はチームの勝利を第一に考えながら、そういった選手にまたいいチャンスが巡ってくると思っています。もちろんそんなに甘くない世界だとは思いますけど、そこは気にせず、自分にできることを最大限にやりたいなと思っています」

 ――日本でもBリーグが開幕。古巣・横浜のことはやはり気になるか

 「いやー、気になりますよね。無茶苦茶気になります。朝起きてすぐに試合の結果と、どうだったのかなっていうのはチェックします。昨日はアルバルクに負けてしまって、僕の尊敬する先輩の1人である森井健太さんがケガをしてしまって、本当にチームとして大変な状況ではあると思います。今日もこっちの時間で1時かな、これからまたゲームがあるんですけど、リカバリーのために寝ないといけません。また朝起きたらチェックして、移動の時間とかに試合を見るようにします」(シカゴ・杉浦大介通信員)

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