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堤聖也が新王者!穴口さんの思いも背負い、青コーナーから拓真倒しリベンジ成功 14日にも墓前に報告

スポニチアネックス / 2024年10月14日 4時33分

井上拓(右)に勝利した堤(撮影・島崎忠彦)

 ◇プロボクシングWBA世界バンタム級タイトルマッチ 同級2位 堤聖也(角海老宝石) 判定 王者 井上拓真(大橋)(2024年10月13日 東京・有明アリーナ)

 世界戦初挑戦の堤聖也(28=角海老宝石)が3度目の防衛を目指した王者・井上拓真(28=大橋)に3―0で判定勝ちし、涙の新王者誕生となった。王者の巧みなディフェンスに苦しみながらも得意の打ち合いに持ち込んで圧倒。高校2年の高校総体準決勝で敗れて以来12年ぶりの対戦で悲願のリベンジを果たした。95年度生まれでは7人目の世界王者。日本人王者がひしめくバンタム級戦線に新星が誕生した。

 判定勝ちを告げられた瞬間、堤は顔をくしゃくしゃにし、そして天を仰いだ。12年8月3日、高校総体のライトフライ級準決勝で完敗した井上拓に12年ぶりの対戦で見事にリベンジ。「この瞬間のためにずっと生きてきたので、信じられない気持ち」。新王者は声を詰まらせながら勝利に酔いしれた。

 非凡なスピードと鉄壁のディフェンスを誇る王者を「自分の土俵」に持ち込んで打ち負かした。激しい乱打戦となるも、ひるまず、泥くさく攻め続けた。10回には左フックの連打に王者はたまらずロープダウン。一気呵成(かせい)に攻撃の手は最後まで緩めず、12回を戦い抜いた。

 大きな覚悟で臨んだ大一番だった。年間最高試合に選ばれた昨年12月の試合で対戦相手だった穴口一輝さん(享年23)が試合後に意識を失い、亡くなる悲劇も起きた。井上拓に挑んだのは、その穴口さんが最後に戦った有明アリーナの青コーナーから。「いつも覚悟を持ってリングに上がっている。人生のつぶし合いと思ってボクシングをやっているから、彼に限らず、これまで戦ってきた人たちへの思いはある」

 相手の人生をも背負って殴り合う競技に誇りを持ってきた男が、自分の価値を証明するためにリングに上がって結果を残した。関係者によると14日にも穴口さんの墓前に勝利を報告するという。

 95年度生まれとしては7人目の世界王者。遅咲きの花を咲かせた堤は「ボクは同期の中でも劣等感強く育ってきたから、95年組トップの井上拓真に勝ったのは凄く価値があることだと思います」と誇らしげに胸を張った。 (黒田 健司郎)

 ▽堤―井上拓VTR 堤が積極的に手数を出し、流れをつかんだ。基本は右構えで細かくパンチを出しながら前進し、井上拓をロープに追い込んで連打を浴びせた。10回には左を当ててダウンを奪う。最後まで攻め続ける執念とスタミナは見事だった。井上拓は劣勢となり、右のカウンターを狙いすぎた。攻撃の組み立てや防御面で丁寧さに欠け、王座を失った。

 ◇堤 聖也(つつみ・せいや)1995年(平7)12月24日生まれ、熊本市出身の28歳。中2でボクシングを始め、九州学院高では高校選抜で優勝。平成国際大を経て、18年にプロデビュー。22年6月に日本バンタム級王座を獲得し、4度の防衛に成功。昨年12月、井上尚弥の4団体統一を記念して開催された同級タイトルマッチ「モンスタートーナメント」で優勝した。身長1メートル66、リーチ1メートル64のスイッチヒッター。

 ▽黄金世代 1995年度生まれはボクシング界の黄金世代だ。岩田と堤が新王者になったことで、世界王者は新旧合わせて7人。出世頭は、きょう14日にWBOスーパーフライ級王座の初防衛を目指す田中で、国体、高校総体の決勝で井上拓を破った。プロでは日本選手最速の5戦目で世界王座に就き、今年2月に世界4階級制覇を果たした。ユーリ阿久井は国体で田中に敗戦。岩田は3年時の総体で田中、井上拓を破り優勝した。高校時代からそれぞれの因縁があった同学年5人が、13、14日の世界戦に顔をそろえた。

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