広場恐怖症に負けない！ゴルフ・菅沼菜々 愛車＆相棒と連覇へ 茨城から福岡まで1100キロ遠征も

笑顔でポーズをとる菅沼（撮影・郡司　修）

　◇17日開幕「NOBUTA　GROUP　マスターズGCレディース」

　賞金総額2億円のビッグトーナメント「NOBUTA　GROUP　マスターズGCレディース」は17日から4日間、兵庫県のマスターズゴルフ倶楽部で開催される。昨年覇者の菅沼菜々（24＝あいおいニッセイ同和損保）が14日までに取材に応じ、全国を転戦する愛車を公開した。公共交通機関の利用が困難な「広場恐怖症」を抱えながら、ツアーを戦う相棒に潜入。ハンデに負けないアイドルが06、07年の古閑美保以来となる史上2人目の大会連覇へ挑む。

　史上2人目の大会連覇に向け、菅沼が愛車とともにマスターズゴルフ倶楽部に帰ってくる。「やっと良くなってきて、自分のゴルフができるようになってきました。ディフェンディング（チャンピオン）としての大会でもありますし、いいところで戦えるように頑張りたいと思っています」と宣言した。

　全国各地が会場となる女子ツアー。広場恐怖症を抱えながら戦う24歳にとって、トヨタ製の白のワゴン車は相棒。飛行機や新幹線などの公共交通機関を利用することが困難だからだ。沖縄と北海道の試合は欠場を余儀なくされるが、本州はもちろん九州、四国から東北まで車で移動する。例えば5月の茨城から福岡の移動では距離にして1100キロ、時にして13時間を超える。

　「ある意味、海外に飛行機で行くのと一緒ですよね。十数時間って。一応、降りられるからまた別ですけど、乗っている時間は同じくらいなので」

　昨季までは運転を担う父と2人で移動していたが、今季からはマネジャーらとの3人体制に変更。「お父さんだけより疲れも分散できるし、2人だけよりも楽しい旅になるので」と明かす。菅沼が座るのは基本的に助手席。動画を見たり、SNSの投稿を行う。以前はスイング動画を見て考える時間にしていたが、「元々ポジティブなのにネガティブになって。だから考えることはやめました」。1時間半乗ったら休憩し、ストレッチやウオーキングで体を整えるのがルーティンだ。

　そんな車内で一緒に移動する際の必須アイテムはダッフィーのぬいぐるみ。中学1年から10年以上の仲である。「ずっと可愛がっていて。UFOキャッチャーで取ったやつなんです。名前？ダッフィーです」。他にネックピローや移動中に練習を行うため、全国各地のゴルフ練習場のカードも搭載している。

　出場機会が限られる中、昨季は2勝を挙げた。しかし今季ここまでトップ10が1度と本来の力を発揮し切れていない。「移動を言い訳にできない。出られる試合は少し限られるけど、その中で活躍できたら」。思い出の舞台をきっかけに、「ゴルフ界のアイドル」が再び輝きを放つ。　（中村　文香）

《川崎　大会2勝へ気合》　22年大会覇者の川崎はインコース9ホールを回って調整。大会2勝目に向けて「今の状態を受け入れつつ、目の前のプレーに集中して4日間戦えるように頑張りたい」と意気込みを示した。昨季は勝利なしに終わりメルセデスランク48位と苦しい一年となったが、今季はここまで3勝を達成。昨年予選落ちの雪辱を期す21歳は「去年はシードでドキドキだったけど、気持ちは全然違う。去年よりはゴルフに対しての自信はある」と笑顔で話した。

《天本　元気に9ホール》　体調不良により前週の大会を欠場した天本は元気に9ホールを回った。頭痛やめまいの症状があったというが、休養に充て「気温差もあったのかな？だいぶ今は落ち着いている」と回復。12日には、師匠の伊沢利光と久しぶりに練習をともにし「感じは悪くないんじゃない？残り試合も頑張ってね」と励まされた。昨年は5位となり、ツアーで初めてトップ10入りした思い出の大会。「いいイメージを持っていきたい」と思い描いた。