ピーコさん死去 79歳、多臓器不全 8月中旬に入院 弟おすぎと双子コンビ おネエタレントの先駆け
スポニチアネックス / 2024年10月21日 4時1分
双子のコンビ「おすぎとピーコ」の兄でファッション評論家として活動したピーコ(本名杉浦克昭=すぎうら・かつあき)さんが9月3日、敗血症による多臓器不全のため神奈川県の病院で死去した。79歳。横浜市出身。葬儀は近親者で行った。
元マネジャーによると、昨年6月に認知症と診断され、高齢者施設に入所。今年8月中旬に敗血症のため入院すると、寝たきりとなり、そのまま誰にもみとられることなく息を引き取ったという。一卵性双生児の弟、おすぎ(79)も認知症を発症し、ピーコさんとは別の施設で療養中。兄の訃報は伝えられたが「認識しているかは分からない」(元マネジャー)という。葬儀では唯一の身内となったおすぎが喪主を務めたが、参列はしなかった。今月19日に四十九日の法要が営まれ、納骨された。
古希を過ぎても精力的に芸能活動をしていたピーコさんだが、21年ごろからおすぎに認知症の兆しが見られたため同居。しかし「老老介護」に限界が生じ、次第に兄弟仲も悪化。ピーコさんにも認知症の症状が現れ、22年2月に同居生活を解消した。その後一人暮らしをしていたが、テレビとエアコンをつけっぱなしで失踪して警察が捜査に乗り出すなど、たびたび騒動に。同3月下旬から行方不明になっているとの報道が出るなど関係者を心配させていた。
高校卒業後に横浜トヨペットに入社。電飾工場への転職を経てサンヨーレインコートに就職した。26歳の時にドラマ衣装の製作依頼を受けたのを機に芸能界に入り、75年に双子のコンビ「おすぎとピーコ」としてデビュー。TBS「3時にあいましょう」で始まった「辛口ピーコのファッションチェック」は、フジテレビ「とくダネ!」など局をまたいで2010年代まで名物コーナーになった。
同性愛者であることを公言。厳しくも温かみがある、特徴的なおネエ口調で親しまれた。44歳だった89年には悪性黒色腫の診断を受けて左目を摘出。義眼を入れ、黄色いレンズのメガネがトレードマークとなった。人生の悲哀をシャンソンに込めて歌うことをライフワークとしていた。
「おすぎとピーコ」で活躍した双子だが、次第に関係者も離れていき、晩年は寂しい日々を送った。
ピーコ(本名杉浦克昭=すぎうら・かつあき)1945年(昭20)1月18日生まれ、神奈川県出身。芸名の由来は芸能界に入る前の会社員時代におしゃべりが多く「ピーピーうるさいぞピーコ」と言われたのが由来とされる。04年には「恋は一日のように ピーコ シャンソンを歌う」で歌手デビュー。著書に「バカな女は20分で飽きる」など。
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