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【スポニチスカウト部(最終回)】NTT東日本・野口泰司捕手 世界の強打者相手に磨いた観察眼

スポニチアネックス / 2024年10月22日 6時1分

U23W杯で観察力に磨きをかけたNTT東日本の野口

 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手の素顔を紹介する。最終回は社会人の名門・NTT東日本で守備の要を担う野口泰司捕手(23)。社会人日本代表でも攻守両面でチームを支えつつ、リードの大切さを改めて学んだ。

 9月初旬に中国で開催された「第5回U23W杯」。プエルトリコ、ベネズエラなど中南米の強豪を撃破し、日本代表は2大会連続の優勝をつかんだ。「4番・捕手」として出場したのは野口。世界の強打者相手でも内角を突く配球の大切さを痛感した。

 「日本よりパワーのある選手相手にインコースの使い方や、外に逃がす球を投げるタイミングとか。打者を見られる観察力がより磨けたと思います」。初対戦の打者でもマスク越しに反応を確かめつつ、勝負球を見極める能力がついたという。

 10年前の決断は間違っていなかった。愛知・知立中2年時、所属するシニアチームでは2軍の内野手だったが、意を決して捕手転向を訴えた。「このままじゃダメ。肩には自信があったし、手を挙げました」。そこからグラウンド上の野手を見渡し、引っ張っていくポジションの面白さにのめり込んだ。

 愛知・名城大時代でも大学日本代表入りしたが、4年時のドラフトは指名漏れ。それでも土地勘のなかった東京のNTT東日本を選んだのは、勝つための野球を追求する「考え方」に憧れていたからだ。「そこで自分を進化し成長させたい」。入社1年目こそDHでの出場が多かったが、捕手担当コーチと二人三脚で捕手としてのスキルを高めていった。二塁送球平均タイム1・80秒台に加え、スローイングの正確性も増した。

 憧れの捕手は元ヤクルトの古田敦也氏。「フットワークは軽いし、本当に考えて野球をやっているのが分かります」。現役時代はもちろん見ていないが、YouTubeを通じてID野球の神髄を学んでいる。

 運命のドラフトまであと2日。多くの出会いを経て成長しつつある野口は、最高峰の世界でさらに輝けることを信じている。(伊藤 幸男)

 ≪29日開幕日本選手権 頂点へのリード誓う≫今夏の都市対抗は、北海道ガスに3―7で初戦敗退を喫した。「4番・捕手」で出場した野口は、6回に左翼線二塁打、8回に左前適時打と4打数2安打1打点。だが、5投手で7点を許したリード面を反省した。

 「(各投手が)ボールが先行してしまい、ゾーンで勝負させられなかった」。先制点を喫した2回は下位打線に連続二塁打され、一挙4点を追加された5回は5番打者に3ランを浴びた。「優勝を狙っていたけど…。正捕手としてさらに練習しないといけない」。

 社会人単独チームNo・1を決める日本選手権は29日に開幕。チームは開幕試合でクラブチームのマツゲン箕島(和歌山)と対戦する。対戦資料の少ない相手に、野口はリード面で成長の跡を見せつける。

 ≪寮のサウナがお気に入り≫野口の趣味はサウナ。千葉県船橋市内の野球部寮に設置されており、練習後に利用する。「あまり長時間は入らないけど“サウナー”ですね」。好きなプロ野球チームは愛知県出身だけに中日だが「それほどでもないですけど、一応聞かれたらドラゴンズファンと答えます」と笑った。

 ☆球歴 知立西小1年から野球を始め投手。知立中では「愛知衣浦リトルシニア」に所属。二塁手から捕手に転向した。栄徳(愛知)では1年秋、名城大でも1年秋から正捕手に。大学4年の全日本大学選手権では亜大・青山(現西武)から左越えソロ。

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