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【特別手記】清水・高橋祐治 J1昇格で悪夢からようやく…「家族にまで苦しい思いを」雪辱の1年振り返る

スポニチアネックス / 2024年10月28日 12時2分

<栃木・清水>勝ちロコでサポーターとともに勝利を喜ぶ清水・高橋(中)(撮影・西海健太郎)

 J2清水は27日、敵地で栃木に1―0で勝利し、2試合を残して自動昇格が決まった。1年前のJ1昇格プレーオフ(PO)で終了間際に同点PKを与え、苦難のシーズンを乗り越えたDF高橋祐治(31)が本紙に手記を寄せた。

 ケガで栃木戦には出られませんでしたが、現地に行き、チームが一つになってJ1昇格を勝ち取れたことは良かったです。ホッとしています。

 今季の序盤戦はなかなか試合に出場することができなかったですが、第2節・アウェー愛媛戦の次の日、J1名古屋との練習試合があり、そこで出場してコンディションを戻しました。フィーリング的には良かったです。

 シーズン開幕からは住吉選手、蓮川選手がCBとして出場して試合も勝ち、チームを勢いづけてくれました。僕も試合に出場したいと思っていましたが、彼らには自分も学ぶところがたくさんありました。彼らのような素晴らしい選手が出場していたので、納得していた部分もありました。

 自分自身が今季初出場した第3節の長崎戦は1―4で大敗でした。良い感じで来ていたし、結果で示さなければというところでしたが、4失点をしてしまいました。

 長崎は今季昇格のライバル候補だったので、そういうチームに負けたのは痛かったです。ただ、落ち込むのではなく、負けが生かせるようにという意識でした。そういう部分ではその後の試合はうまく対応できたと思います。

 ようやく念願のJ1昇格を決めましたが、昨季PO決勝のことは一度も忘れたことはありません。

 PKを与えたシーン、ゴール裏のサポーターへあいさつした時のあの光景、家族にまで苦しい思いをさせてしまったのを今でも思い出します。今季は生きた心地がしていないというのが正直なところでした。だから、今年は苦しめてしまった人、泣かせてしまった人のために戦ってきました。

 今季の序盤では、あの出来事で辛くなるときもありました。自己啓発本を読んだり、神社に行ってみたりと色々やっていましたが、答えはいまいち見つからず。

 秋葉監督のポジティブさが欲しくて相談に行ったこともありました。

 「行動していることで祐治は前を向こうとしているから続ければ良い。行動することが大事」と言ってくれました。

 秋葉さん自身もアトランタ五輪で相当悔しい経験をしたと仰ってました。色々聞いて、前を向いてやるしかないと思いました。戦うことを止めたら、酷い言葉を投げかけた人に言われっぱなしになる。そういう意味でも必ず見返したいと思って戦ってきました。

 J1昇格できて家族も応援してくれる人も全員を笑顔にさせることができてよかったです。これからはもっと良い景色を見たいです。

 来年はいよいよJ1です。J1で戦う準備もしていますし、そのためにはJ2優勝してJ1の舞台に乗り込まないといけないと思っています。

 みんなでJ2を制覇して喜びたいです。清水のサッカー熱は本当に凄いと思います。このチームでJ1優勝したらどうなるのか気になります。

 J1でも最高の景色を見てみたいです! (清水エスパルスDF)

 ◇高橋 祐治(たかはし・ゆうじ)1993年(平5)4月11日生まれ、滋賀県大津市出身の31歳。京都の育成組織から12年に京都でプロデビュー。讃岐へのレンタル、鳥栖、柏を経て23年に清水に完全移籍。J1通算112試合2得点、J2通算138試合2得点。J3通算11試合1得点。姉にタレントの高橋メアリージュンとユウ。1メートル87、80キロ。利き足は右。

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