照ノ富士 九州場所出場は「ノーコメント」 28年ぶり九州場所15日間満員札止めが目前も

九州場所初日を前に福岡県庁を訪問した（左から）浅香山親方、琴桜、照ノ富士、大の里

　名古屋場所で10度目の優勝を飾った後、秋場所を全休した横綱・照ノ富士（32＝伊勢ケ浜部屋）は九州場所（11月10日初日、福岡国際センター）へ向けた稽古始めとなった29日、福岡県太宰府市にある部屋で稽古を行わなかった。福岡市内での関取による会合・力士会に出席後、福岡市役所、福岡県庁を表敬訪問。その後、九州場所出場への見通しについて聞かれ「そのことはノーコメント」と言葉を濁した。

　琴桜（26＝佐渡ケ嶽部屋）と大の里（24＝二所ノ関部屋）の両大関を従えた県庁への表敬訪問では、「昨日から福岡へ入りまして、太宰府天満宮に宿舎を構えて次の場所へ出られるように調整しています」とあいさつ。出場か休場かを問う県庁関係者からの問い掛けに苦笑いを浮かべた。しかし、27日まで続いた秋巡業から復帰したが土俵入りのみの参加で、稽古で相撲を取ることはなかった。膝と腰の痛みによる調整遅れは否めず、2場所ぶりの復帰へ暗雲が漂う。

　照ノ富士の動向は不透明だが、大の里の新大関場所としてチケットの売れ行きは好調という。新任の担当部長・浅香山親方（元大関・魁皇）によれば、15日間の満員札止めが目前だと言い、実現すれば九州場所では若貴ブームの1996年以来28年ぶり。九州場所では21年に唯一の全勝優勝を飾った照ノ富士だけに、出場すればなお盛り上がるが果たして。残り11日での仕上がりにかかっている。