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「旧バナナホール」閉館…フラカン感謝もあきらめきれず「イーロン・マスクみたいな人買ってくれない?」

スポニチアネックス / 2024年10月31日 23時38分

大阪老舗ライブハウス「umeda TRAD」閉館イベントで熱唱するフラワーカンパニーズのボーカル・鈴木圭介(撮影・小林まり)

 大阪のライブシーンを支えてきた大阪・梅田の老舗ライブハウス「umeda TRAD」が31日、最後の営業を終えた。ラストステージは縁の深いフラワーカンパニーズ、TOMOVSKY、SCOOBIE DOによるイベント「ラストパレードはいい星見ながら盆踊り!~Thank you umeda TRAD~」。最後の最後のトリは“フラカン”が務めた。

 1981年にバナナホールとしてオープン。西日本最大の繁華街・梅田地区にありながら、堂山町と呼ばれる雑居ビルが立ち並ぶディープな地域で歴史を刻んだ。尾崎豊、BOOWY、ブルーハーツ、BUMP OF CHICKEN、サカナクション…。このステージを踏んでいない有名アーティストを探すのが難しいほどで、若手からベテランまでジャンルを問わず多くのミュージシャンを支え続けてきた。

 09年に「umeda AKASO」に改名し、その後17年から現在の名称に変更し運営を続けてきたが、コロナの影響、建物の老朽化などの理由で賃貸借契約の継続はならず、10月いっぱいで閉館となった。

 この日はフロアいっぱいのロックファンが集まり、思い思いの楽しみ方で3バンドの音に体を揺らした。前日にも行われた閉館イベントでトリを務めたロックバンド「四星球」の北島康雄(41)は、最終日の前説でステージに立つことを熱望。「ぼくはバナナホール時代のステージには立っていないのですが、その頃から通っていた方は?」と聞くと、客席の6割方が手を挙げた。「そんなに!みなさん大先輩や…。本当に愛されてた場所なんですね」と感激した。

 トリを務めたフラカンは結成35年。初めてこのステージに立ったのは1994年で、30年間欠かさず毎年1回はこのステージに立ち続けた。ボーカルの鈴木圭介(55)は「だから、なくなるとほんとに困るんです」としんみりした表情。「イーロン・マスクみたいな人が買ってくれないかな。誰かいませんか!でも、おれらとか、スクービーとかトモフのファンだからなあ」と話すと客席は大爆笑だった。

 アンコールではTRADの青木清和店長のたっての希望で初期の名曲「ホップ ステップ ヤング」を演奏。鈴木は「本当にありがとう!みんな、今までにないくらいの大喝采をこのステージに送ってやってくれ!」と叫んだ。

 終演後はステージに青木店長が上がり、満員のフロアを眺めながら「最後にこんな風景を見られて幸せです」と集まった満員のファンに感謝。さらに「全国にはたくさんのライブハウスがありますが、お客さんがいないと成り立たない文化。これからも皆さんで支えてあげてください」と祈りを込めた。

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