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DeNA外弁慶3連勝 成り上がり日本一あと1勝 牧復活1号「“入ってくれ”と思いながら打った」

スポニチアネックス / 2024年11月1日 5時31分

<ソ・D>4回、牧は3点本塁打を放ち、雄叫びをあげる(撮影・須田 麻祐子)

 ◇SMBC日本シリーズ2024第5戦 DeNA7-0ソフトバンク(2024年10月31日 みずほペイペイD)

 「SMBC日本シリーズ2024」は31日、第5戦が行われ、DeNAが7―0でソフトバンクを下し、2連敗からの3連勝で98年以来、26年ぶり3度目の日本一に王手をかけた。4回に主将の牧秀悟内野手(26)が今シリーズ1号3ランで貴重な追加点。ここまで5試合は全てビジターチームが勝利しているが、本拠地に戻る2日の第6戦に勝てばリーグ3位からの日本一が決まり、三浦大輔監督(50)が宙を舞う。

 何度も吠えた。両拳を強く握った。日本シリーズ初アーチがうれしかったからではない。やっとチームに貢献できたからだ。牧は「“入ってくれ”と思いながら打った。いい形で打てた」と言った。

 1―0の4回無死一、二塁。前田純が投じた2球目の141キロ直球は決して甘いコースではなかった。内角高めのボールに体を鋭く回転させる。待望の一発はDeNAファンの待つ左翼席に着弾。長距離砲特有の滞空時間の長いアーチだった。

 過去4試合は17打数2安打で打率・118。本拠地で連敗スタートとなった試合後は主将として選手による緊急ミーティングを提案した。「打てなくても勝利に貢献したい」との思いからの行動。そんな主将を誰もがリスペクトする。この日の試合前には故障で離脱中のベテラン捕手・伊藤から電話で「打席での呼吸を大切にしろ」と助言を受けた。同学年の知野には好調時とのフォームの違いを指摘された。周囲の支えもあっての2安打3打点。チームの中心に、牧がいる。

 思いを届けたい「師匠」もいる。今季限りで戦力外通告を受けた大和だ。大ベテランは打撃、守備の手本。通告を知り「ショックで連絡ができなかった」と振り返るが、頂点に立って笑顔で勝利報告をすると決めている。

 三浦監督は今シリーズで初めてフォードを5番で先発起用。新打線は6回に先発全員安打を記録するなど13安打で7点を奪った。本拠地での2連敗から敵地で3連勝。指揮官は「また横浜で、いつも通り全員でその一試合に全力を出し切れるようにやっていく」と気を引き締める。

 牧は言う。「声援は凄いと思う。敵地で3試合やってきたことを、そのまま出したい」。あと1勝。横浜スタジアムのファンとともに「史上最大の成り上がり」を完結させる。(大木 穂高)

 ≪2勝2敗から王手 過去V率76%≫DeNAが3連勝で98年以来26年ぶり3度目の日本一に王手をかけた。2勝2敗(引き分け含む)からの王手は昨年の阪神に続き30度目。過去29度のうち22度が優勝でV確率は76%だ。DeNAは横浜時代の98年(対西武)にも2勝2敗から敵地で王手をかけ、横浜スタジアムでの第6戦で日本一を決めているが今季はどうなるか。

 ≪セ3位から日本一は史上初≫シーズン勝率2位以下から日本一になったチームは19年ソフトバンクまで延べ6チーム。そのうち3位からに限ると10年ロッテしかない。今季DeNAが日本一になるとセの3位チームでは史上初となる。また、DeNAの今季勝率は・507。過去の日本一チームで最も低いのは75年阪急の・520だがどうなるか。

 ≪全5戦“外弁慶”≫今シリーズは横浜スタジアムの1、2戦でソフトバンク、みずほペイペイドームの3~5戦でDeNAが勝利。シリーズでビジター球団が開幕から5試合以上連続勝利は00年巨人対ダイエーで5試合、11年ソフトバンク対中日で6試合続けて以来3度目で、全てソフトバンクが関わっている。また、ここまで先取点チームが全勝。先制チームの開幕5連勝は15年のソフトバンク対ヤクルト以来。

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