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新潟・長倉 ルヴァン杯得点王、MVPより「優勝だけ見て」成り上がる 関東リーグから1年半でJ1

スポニチアネックス / 2024年11月2日 4時48分

優勝だけを見据えている長倉

 J1新潟は2日、クラブ初のタイトルを懸けて名古屋とルヴァン杯決勝を戦う。1日は試合会場の国立競技場で最終調整した。6ゴールで現在得点ランク1位のFW長倉幹樹(25)は、得点王、MVPに目もくれず優勝だけを見据えている。22年は関東リーグでプレーし、1年半でJ1まで成り上がってきたストライカーは、タイトルを獲ってさらに存在価値を高める。

 オレンジ色に近かった髪を「気分で」金髪に変えた長倉は、国立競技場の緑の芝生の上で目立っていた。笑顔も見せた練習後は、いつもと変わらず淡々とした口調で頂点への思いを口にした。

 「個人としてはどういうプレーをしたいというのはなくて、優勝だけを見て頑張りたい」

 プレーオフラウンドの長崎戦2試合で1ゴールずつ奪い、町田との準々決勝第1戦では圧巻の4ゴール。クラブの9年ぶりの4強進出の立役者になるとともに、得点王候補筆頭に躍り出た。

 選手としては順調なキャリアではなかった。順大を卒業後にプロになれず、22年は関東リーグ1部の東京ユナイテッドFCでプレーしながら、ジムで監視員のアルバイトをしていた。練習は早朝か夜。それでも活躍に目が留まって同年夏にJ2群馬に移籍した。

 5部相当の関東リーグからJ2への移籍は珍しく「運は本当に大事。自分は持っているなと思う。半年でJ2に入ったのが一番強運だった」と振り返る。もちろん運だけではない。「どのカテゴリーでも相手に負けないとやっていた。J2にステップアップしても変わらずにやれたのは大きかった」と言い、J1でもそれは同じ。今季は抜群の身体能力と相手の裏を取るセンスを生かして前線の中軸を担うようになった。

 高校1年時に浦和ユースでJユース杯を制した経験はあるが、中心選手ではなく、今回優勝すれば初タイトル。「下(のカテゴリー)からでもここまで来られる証明にはなっていると思うが、優勝したらさらに証明できる」と意気込む。

 得点ランク3位の名古屋FWパトリックに3点差をつけ、ほぼ手中に収めている得点王は全く意識していない。「勝てたらチームとしても個人としても成長できる」。もっとうまく、強くなるためだけに“てっぺん”を狙う。

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