福田沙紀 監督初挑戦で学んだこと “フック”がカギのショートドラマ、大幅修正で向き合った苦労とは
スポニチアネックス / 2024年11月3日 7時18分
【インタビュー】女優の福田沙紀(34)が監督デビューし、話題となっている。メガホンをとった1話1分ドラマ「大人に恋はムズカシイ」がショートドラマ配信アプリ「BUMP」で配信中。等身大のアラサー女子を描く作品で、女性視聴者に「キュンキュンする」「面白い」「テンポがいい」と大人気だ。2007年のヒットドラマ「ライフ」(フジテレビ)でのいじめの主犯格の名演、08年公開の映画「櫻の園」など数々の主演作で知られる福田が立場を変え、メガホンをとった。当初の依頼は1話3分。脚本の大幅修正に取り組むことになったが、見事に柔軟に対応して人気作を誕生させた。女優はもちろん続けていく福田。新人監督としての苦労、そしてその先に見えたものを語った。(鈴木 美香)
「BUMPさんから“ぜひ撮ってみませんか?”と声を掛けていただきました。撮るのがショートドラマということで、自分が役者としても参加したことのないジャンル。すごく今、ショートドラマの市場が成長している中でそういったプラットフォームに挑むことができるなんてワクワクすることと思って挑戦することにしました」
新たな挑戦は、2023年公開の映画「シキ」に出演した時、「役者ではなく裏方として作品作りに関わっていきたい」と話した福田のことを、山口龍大朗監督が「福田さんは監督ができるんじゃないかな?」とBUMPに伝えたことがきっかけだった。
手掛けたのは、1話1分前後の全29話。だが当初の依頼は1話3分を10話だった。「“ちょいちょいちょい!聞いてないですう”みたいになりました。こうなると脚本から変わってくるんです。連続ドラマには、フックと呼ばれる“次の展開が気になる要素”を作らないといけなくて、それが1話につきだいたい2個。当初の依頼は10話だったので20個でしたが、結局29話になったので、必要になったのは約60個。とんでもない変更ですけど、女優としてスタイリスト役でも出演している、脚本家の灯敦生(ともり・あつき)さんが頑張ってくれました。灯さんと私も含めて5人ぐらいでああでもない、こうでもないと脚本会議もして、そしてさらに灯さんと私でかなり打ち合わせも重ねて作り上げていきました」
そして完成したのが、スピード感ある飽きさせない作品。新人監督は予期しないオーダーをどうとらえ、迅速に対応していったのか。
「どんな仕事にも変更はあるし、どれだけ柔軟に対応して、いいものを作れるかだと思います。私はこういうことの方が燃えるタイプ。制限の中でいいものを作っていきたいと思い、挑戦しました」
物語は、結婚を考えていた彼氏に振られてしまったアラサー会社員の美冬(下京慶子)が店で1人ヤケ酒をした翌朝、目覚めると、ベットの隣には仔犬顔の年下男子・隼人(平井亜門)がいたことから始まる。その後、隼人に「本当に1人で生きていきたいの?」と尋ねられ、美冬は自分自身の気持ちに素直になることを学んでいく。理性では交わらない方がいいと分かっていながら、美冬は年齢も立場も全く違う隼人に惹かれていくが…というドキドキの展開が描かれる。
出演者の生き生きとした表情、小気味よいテンポのセリフ、飽きさせない展開…。女性視聴者からは「キュンキュンする」「面白くて一気見した」など作品を堪能した声が多数上がる。
「面白かったという言葉を聞くと挑戦して良かったと思えます。いろいろなことを面白がって生きていきたいですし、どれだけベストが尽くせるかというのが大事だと思っています。チャレンジしていける自分でありたい。そう思っています」
全力で向き合ったからこその穏やかな表情で語った。
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