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阪神育成右腕出た161キロ!“球児チルドレン”ベタンセス 紅白戦で躍動1回無安打零封

スポニチアネックス / 2024年11月4日 5時18分

紅白戦で1回を無失点に抑えた阪神・ベタンセス(撮影・椎名 航)

 阪神の育成右腕、ホセ・ベタンセス投手(25)が3日、高知・安芸秋季キャンプの紅白戦で自己最速の161キロをマークした。直球は球場表示された全10球とも150キロ以上を計測。1回を無安打2四死球、無失点で切り抜けた。球団初の試みとなるドミニカ共和国での入団テストに合格して3月に来日。現地で自ら発掘した藤川球児新監督(44)は支配下登録の可能性について「十分ある」と断言した。 

紅白戦の最後の1プレーで、球場が盛り上がった。最終6回に登板したベタンセスが小幡を投ゴロに打ち取り、併殺で試合終了。その時、スコアボードに「161」の球速が示された。この1球に、超満員の虎党が驚きの反応を示したのだ。

 「正直、個人的にはあまりビックリしていない。そのためにずっと練習してきたので」

 ドミニカ共和国生まれの中継ぎ右腕は、自己最速を1キロ更新しても喜ぶそぶりを見せなかった。ただし、持ち味は十分に発揮した。

 マスクをかぶった栄枝の「1軍選手を相手にどこまでやれるのか見ておきたかった」というリードに導かれ、打者4人にオール直球勝負。11球を投げ、表示された10球全てで150キロ以上を計測した。161キロは小幡の打球速度の可能性を残すが、バットに当てられなかった球でも158キロを2度マーク。偶然ではないことを印象付けた。過去に球団で160キロ台を出したのは、スアレス、藤浪、ドリス、ゲラの4人だけ。2四死球を与えた以外は、十分すぎるインパクトを残した。

 ドミニカ共和国で1月に開催した、球団初の海外トライアウトに合格して来日した。この時、現地で採用を担当したのが、当時スペシャルアシスタントとして国際スカウト業務を担った藤川新監督。アストロズ傘下で目立った成績を残せずにいた元の姿を知るだけに、「ファームのコーチが日本の野球を地道に教えて。(小幡の投ゴロ併殺打で)最後のショートスロー、セカンドへのスローイングはドミニカで見た時はできなかった。成長を感じる一瞬だった」と喜びもひとしおだった。未完成を承知で獲得した選手。今季の2軍25試合で残した防御率4・18の不安定さ、23回2/3で20与四死球の多さ、27奪三振の魅力も全て、発展途上の数字という認識だった。

 来季のチームの助っ人構想は、ビーズリーとゲラの残留を基本線とし、残りは白紙と見られる。指揮官は25歳のベタンセスの今季中の支配下登録について「育成からの引き上げが大事だと思っている。可能性は十分にある」と期待を込めた。海外で発掘した原石を育て上げれば、球団の新しいサクセスストリーができあがる。 (倉世古 洋平)

 ≪ドミニカ共和国出身25歳≫

 ◇ホセ・ベタンセス 1999年10月17日生まれ、ドミニカ共和国出身の25歳。17年から23年までアストロズ傘下でプレー。マイナー通算107試合で5勝11敗12セーブ、防御率7・20。米独立リーグのレイルキャッツを経て、24年2月に阪神と育成契約。今季はウエスタン・リーグ25試合すべて救援で1勝2敗0セーブ、防御率4・18。1メートル83、102キロ。右投げ右打ち。

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