【全国学生相撲選手権】日体大が3年ぶり団体優勝!拓大との決勝は0―2から逆転“ジンクス”破った
スポニチアネックス / 2024年11月4日 7時53分
第102回全国学生相撲選手権大会が3日、東京・両国国技館で行われ、Aクラス団体戦は日体大が3年ぶり8度目の優勝を果たした。
前日の個人戦で優勝したブフチョローン(4年、主将)と準優勝のデルゲルバト(1年)を擁する強力な布陣。予選は1点も落とさず3勝15点で堂々1位通過した。準々決勝の相手は、直近5年で3度の優勝を誇る日大。2―2の大将戦にもつれたが、杉本弘樹(日体大2年)が成松祐乃介(日大2年)を押し倒しで破ってライバル校を退けた。準決勝は、昨年優勝の近大と対戦。今年から決勝トーナメントでは試合ごとのオーダー変更が可能となり、今度はブフチョローンを先鋒に起用。二陣・デルゲルバト、中堅・依田蒼基(2年)も含め前3人で一気に勝負を決めた。
決勝の相手は拓大。0―2に追い込まれてから中堅・ブフチョローン、副将・新川大楽(4年)と取り返し、再び迎えた2―2の大将戦で杉本弘樹が決めた。立ち合い左へ変わってから動き回る村山尊(拓大4年)をよく見て突き落とし。大一番を制し「厳しい練習が成果につながった。自分で決めることができてホッとしている」と喜びを表した。
個人戦優勝者(学生横綱)の所属チームが団体優勝を果たすのは、2006年の日大(個人優勝は森友樹=のちの十両・大翔湖)以来のこと。これまで17年間も、個人&団体の2冠は達成できないという不思議なジンクスが続いていた。最近の日体大では、学生横綱のデルゲルバヤル(現幕内・欧勝馬)と3位の石崎拓馬(現幕内・朝紅龍)を擁した2020年も、学生横綱のチョイジルスレン(現幕内・阿武剋)と準優勝の中村泰輝(現大関・大の里)を擁した2022年も、優勝候補筆頭と目されながら決勝で日大に惜敗していた。今年ついにそのジンクスを打破。6月の東日本学生選手権と10月の東日本学生リーグ戦(9人制)でも優勝しており、日体大としては初めての3大大会制覇を成し遂げた。
10年ぶりに決勝進出を果たした拓大は、大健闘の準優勝。決勝は五島雅治(4年)と児玉亮(3年)の個人戦3位入賞コンビを先鋒・二陣に起用し、作戦通りの2点先取で一気に勝負をかけた。絶対的エースとして予選から決勝まで全勝の五島は「あと一歩のところで負けてしまったけど、勝負の世界なのでしょうがない。このチームで決勝まで行けたのはすごいと思うし、うれしいです」と笑顔で振り返った。
決勝に出場した拓大メンバーのうち、4年生の五島、村山、3年生の児玉、井ノ上の4人はいずれも和歌山・箕島高出身。五島と村山は、高校3年時の全国大会がコロナ禍で全て中止となってしまった不遇の学年だ。「コロナでインターハイがなくなった“幻のチーム”。本来組むべきだったチームがインカレで組めてよかったと思います」。中学・高校からの「長い付き合い」という仲間たちと心を一つに、大学最後の団体戦を悔いなく取り切った。
▽Aクラス団体戦 準々決勝
日体大 3―2 日大
近大 3―2 駒澤大
拓大 5―0 法政大
金沢学院大 3―2 東洋大
▽準決勝
日体大 4―1 近大
○ブフチョローン 突き落とし 新島伊武起
○デルゲルバト 押し出し 野坂朋也
○依田蒼基 押し倒し 八嶋凱登
杉本弘樹 寄り切り 浦山秀誠○
○新川大楽 寄り切り 斎藤貴仁
拓大 3―2 金沢学院大
○五島雅治 寄り切り 篠侑磨
成川力哉 小手投げ 森田陽彦○
○児玉亮 押し出し 大森康弘
○井ノ上豪志 下手投げ 可貴秀太
安藤珠璃 寄り切り 椿原将嗣○
▽決勝
日体大 3―2 拓大
依田蒼基 押し倒し 五島雅治○
デルゲルバト 寄り倒し 児玉亮○
○ブフチョローン すくい投げ 安藤珠璃
○新川大楽 寄り倒し 井ノ上豪志
○杉本弘樹 突き落とし 村山尊
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