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【元横綱・稀勢の里コラム】新大関になっても大の里は「一日一番」やりきることが大事

スポニチアネックス / 2024年11月6日 7時0分

2010年、大相撲九州場所2日目に白鵬(左)の連勝を止めた稀勢の里

 10日に初日を迎える「納めの場所」九州場所に向け福岡に乗り込みました。二所ノ関部屋の各力士も1年を締めくくるべく精進しています。応援よろしくお願いします。

 九州場所と言えば、私にとっても思い出深いことがたくさんありました。2010年の2日目、横綱・白鵬の連勝を「63」で止めました。入幕して6年たってもなかなか結果が出ず諦めかけていた中での勝利。相撲人生の中で最大の一番になりました。無双状態だった横綱に勝って稽古場でも1万倍の力がついたような自信がついたことを覚えています。1年後の九州で大関に昇進。白鵬戦勝利がなかったら、今の自分はなかったと断言できます。

 大関を決めた2011年は場所前に師匠(元横綱・隆の里)が亡くなりました。今思うと、いろんなことがありすぎて(大関とか)考える余裕もなかったですが、逆に精神的には安定していたので気がつけば2桁勝っていましたね。10勝、12勝、10勝で直近3場所通算は目安の33勝には1勝足らない32勝。「上げてもらった」という気持ちも強かったので、新大関場所は11勝以上して3場所33勝にすることを目標に掲げました。結果は11勝4敗でしたが、ようやく大関になったと実感がこみ上げてきました。

 九州は10月の秋巡業から直接博多に乗り込む日程でしたが、これが私には合っていたように思います。もともと巡業が好きだったので、しっかり流れをつくって場所に臨むことができたからです。当時の宿舎は香椎宮。稽古場の雰囲気が良くていい状態をキープできた場所でした。思えば、旧鳴戸部屋の地方宿舎は入門から一度も変わることはありませんでした。環境が変わると適応するまでに余計な労力を使うこともあります。同じ場所で生活できることは意外と大事だということを痛感しています。地方場所では1カ月近く滞在する訳ですから弟子が住みやすい環境を用意するのも師匠の役目かと思っています。

 21年の独立後、最初の地方場所が九州でした。当時は4人でのスタート。毎年、九州の宿舎に来ると「ようやく始まった」という思いもこみ上げてきます。今年は弟子の大の里が新大関として場所に臨みます。看板力士として期待されることも多いですが、大関になったからといって特別なことをするわけでもない。今まで通り一日一番しっかりやりきることが大事です。 (元横綱・稀勢の里)

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