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三浦監督が正力松太郎賞初受賞「紆余曲折の末…満場一致」ペナント制覇の両監督評価も王座長「勝負の世界」

スポニチアネックス / 2024年11月7日 17時1分

26年ぶりの日本一に輝き、胴上げされる三浦監督

 今季のプロ野球の発展に最も貢献した監督や選手に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が7日、都内のホテルで行われ、DeNAを26年ぶり3度目の日本一に導いた三浦大輔監督(50)が初受賞した。チームでは98年の佐々木主浩以来、2人目となる。

 選考委員会では意見が割れ、激論が交わされた。冒頭、貯金42と圧倒的な戦力でパ・リーグを制したソフトバンク・小久保裕紀(53)を推す声、さらに4年ぶりにセ・リーグVを飾った巨人・阿部慎之助監督(45)の采配を評価する意見が上がった。つまりペナントを重視すべきとの声が出た。

 しかし、座長を務める王貞治氏が勝負の世界は勝者が優先されると明かしたうえ「下克上を成し遂げた三浦監督の手腕は十分評価に値する」と発言したことで紆余(うよ)曲折の末、最終的には満場一致で三浦監督に落ち着いた。

 王座長はさらに続けた。「私は個人的な立場(ソフトバンク球団会長)でも相手側にいたものですからDeNAのCS、日本シリーズでの強さは実際に目で見て肌でも感じましたので…。勝負の世界は勝たなきゃいけないってことが鉄則です」。もちろん愛弟子である小久保監督の手腕も評価している。「去年一昨年と優勝争いしながら最後に勝てなかったホークスを断トツでゴールさせる。ファームで監督をやっていたので若い選手をどんどん使っていたけど、自分の目で確かめて使う。若手にも良い経験になりましたから、来年以降もの凄く楽しみにしてます。ペナントを獲った素晴らしさは大いに評価されるべき」と付け加えた。

 山本委員も三浦監督を推した。「DeNAは打線も強力だし、ポストシーズンの巨人戦で見せた素晴らしい試合運び」と評価。ペナント3位からの選出には「10年のロッテ西村監督もリーグ3位受賞している」と明かした。陪席した榊原定征コミッショナーは「ホークスが日本シリーズで元気がなかった」と意見が出たという。

 選考委員会である以上、対照的な意見もあった。小久保監督を推した辻委員は「ペナントレースを通じての素晴らしさ、育成選手を引き上げて戦力にしていく思い切った采配が凄かったので正力賞を考えるべきでは」と話した。

 同時に今後の同賞選出は日本シリーズ勝利監督という基準について見直すべきとの提言が王座長から出された。ちなみに高田委員からはCSファイナルステージで優勝チームと勝ち上がりチームが5ゲーム差以上ある場合は、1勝のアドバンテージを見直すべきとの意見も出た。今季のDeNAは2位・阪神と3・5ゲーム差、首位・巨人には8ゲーム差もあったからこその指摘だった。

 なおリーグVを逃がしながら、正力賞に輝いた事例は4回ある。

(1)07年中日・落合博満監督(セ2位)

(2)10年ロッテ・西村徳文監督(パ3位)

(3)18、19年ソフトバンク・工藤公康監督(いずれも2位) 

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