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木下稜介「奇跡みたいなラウンドだった」股関節負傷抱え65で2位発進 三井住友VISA太平洋マスターズ

スポニチアネックス / 2024年11月7日 16時55分

<三井住友VISA太平洋マスターズ・初日>11番、ティーショットを放つ木下稜介(撮影・西尾 大助)

 ◇男子ゴルフツアー 三井住友VISA太平洋マスターズ第1日(2024年11月7日 静岡県 太平洋クラブ御殿場C=7262ヤード、パー70)

 第1ラウンドが行われ、ツアー3勝の木下稜介(33=ハートランド)が65で回り、首位と1打差の2位につけた。

 5バーディー、ボギーなしの完ぺきなラウンドだったにもかかわらず表情は晴れない。木下は「今日は何とか回り切れたなという感じ」と絞り出した。

 開幕3日前の4日にストレッチで左の股関節を痛めた。初めての負傷箇所で「こんなに痛いには初めて。突発的だったのでびっくりしている」。5日は9ホールだけ練習ラウンドをこなした。しかし6日は痛みがひどくプロアマ戦も途中リタイアを余儀なくされた。

 この日は出場できるか分からないままコースに到着。「朝の練習で痛すぎたら棄権しようと思ったが、何とかクラブが触れる状態だった」。痛み止めを服用しスタートした。

 前半はショットが右に押し出してピンチを招きながらも、パットが冴えまくった。出だしの10番で5メートルを沈めてバーディー発進。15番で3メートル、18番で4メートルを決めた。

 後半の1番でも3メートルの好機をものにした。3番パー5はアプローチで寄せて5つ目のバーディー。6番で3メートルのパーパットをねじ込むなどボギーなしで終え「完走だけを目標にしていたけど、上がってみればノーボギーで5つも伸ばせた。奇跡みたいなラウンドだった」と苦笑いを浮かべた。

 痛みを押してプレーしたのには意味がある。「残り4試合で優勝して賞金王になりたい。特に今週終わっての賞金ランク1位が米ツアー最終予選会に行けるので、それを頭に入れながら乗り込んできた」。今大会後の賞金ランク1位には、来季の米ツアー出場権を懸けた最終予選会(12月、フロリダ州)への出場資格が付与される。木下稜は現在賞金ランク3位につけるが、今大会で優勝すれば1位の平田憲聖を逆転する可能性がある。簡単に休むわけにはいかなかったのだ。

 「この痛みなのでつらい部分もあったけど、なぜか良いプレーができたので、明日も痛みと付き合いながら頑張りたい」。手負いの体にムチ打って、5月のミズノ・オープン以来の今季2勝目をつかみに行く。

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