松本人志 年明け復帰へ 「文春訴訟」急転取り下げ 双方長期化望まず…うやむや終結
スポニチアネックス / 2024年11月9日 4時1分
ダウンタウンの松本人志(61)が女性に性的行為を強要したと報じた「週刊文春」の記事で名誉を毀損(きそん)されたとして、5億5000万円の損害賠償などを求めた訴訟で8日、松本が訴えを取り下げた。文春側も合意し、これで訴訟は終結した。松本は代理人を通じて、謝罪の趣旨を含むコメントを公表。今年1月22日の提訴から291日。裁判に注力するために芸能活動を全て休止し、全面的に争う姿勢を見せていたが、急転直下の幕引きとなった。
松本が振り上げた拳を、突然下ろした。吉本興業の公式サイトに掲載された文書では、性的行為の強要について「強制性の有無を直接に示す物的証拠はないことなどを含めて確認した」と説明。一方で、過去に女性が同席する会合に参加していた事実は認めた。「不快な思いや、心を痛めた方がいたら、おわびします」と謝罪する趣旨の文言も。ただ、被害を受けたと主張する女性を明示することなく、これまで会合に「参加された女性の中で」とした。松本は自身のSNSに同じ文書を投稿。関係者によると、会見の予定はないという。
週刊文春側もコメントを発表。「心を痛めた方々におわびをしたいとの連絡があり、女性らと協議の上、取り下げに同意した」と報告した。双方ともに、取り下げに際し「金銭の授受は一切ない」とした。
今年1月に提訴。裁判に注力するため、全ての芸能活動を休止し、徹底抗戦の構えを見せていた。それでも、水面下では和解交渉も行っていた。この日、松本側が発表した文書には「関係者と協議などを続けてきた」とあるが、本紙の取材によると、文春側と夏前から話し合いを重ねていた。“事実無根”とする松本側が強硬姿勢を崩さず、その都度、交渉は決裂。10月上旬にも話し合いが持たれたが歩み寄れず、2回目の弁論準備手続きを今月11日に行うことが決定。その日を3日後に控え、急転直下の訴訟取り下げとなった。
その背景にあったのは、松本が一日も早い活動再開を目指したことだ。年明けにも芸能活動に復帰したい意向。そのために年内に裁判を終わらせることを選んだようだ。関係者は「裁判より、お笑いの現場に戻りたい、という気持ちが上回った」と松本の胸中を推し量った。文春側も訴訟費用などのことがあり、裁判の長期化は避けたいところで双方の思いが合致する形になり、連名で裁判の終結を報告したとみられる。
活動休止前に松本が出演していたテレビ番組は今も継続中で“帰る場所”はある。テレビ復帰に強くこだわっている松本。ただ、性的行為の強要があったのか不明のままの幕引きで戻れるかは不透明だ。これまで通り受け入れられるのか。“笑いのカリスマ”は正念場を迎える。
≪性的行為の強要疑惑報道に反論≫「週刊文春」は昨年12月27日発売号に「松本人志と恐怖の一夜“俺の子ども産めや!”」と題した記事を掲載。被害を訴えるA子、B子の証言を中心に、2015年9月に六本木のグランドハイアット東京で行われた酒席で性的行為の強要疑惑があったと報じた。所属事務所の吉本興業は同日に「当該事実は一切なく、法的措置を検討していく予定」と反論。訴訟の第1回口頭弁論で松本側は「相手が誰であろうと強制的な性加害はない」と記事の内容を否定した。その上でA子、B子の特定を文春側に要求するなど、文春側の代理人喜田村洋一弁護士は「そんなアホなことあるかいな」と激しく非難。双方の主張は大きく乖離(かいり)していたが、お互い決着をつけることなく矛を収めた形だ。
◇松本人志の経過◇
▽昨年12月27日 文春が松本の女性への性的行為の強要を報道
▽同日 吉本興業が、記事は客観的事実に反するとして「法的措置を検討」と抗議コメント。文春は「記事には十分な自信」と反論
▽今年1月8日 吉本興業が松本の活動休止を発表。松本はSNSに「事実無根なので闘いまーす」と投稿
▽22日 松本個人で文春の発行元・文芸春秋などを提訴
▽3月28日 第1回口頭弁論
▽6月5日 弁論準備手続き
▽7月11日 松本の代理人が会見。告発者であるA子を提訴する可能性を示唆
▽8月14日 2回目の弁論準備手続きが延期
▽10月8日 2回目の弁論準備手続きが11月11日に決定
▽11月8日 訴えを取り下げ。松本は吉本興業などを通じて「これ以上、多くの方々にご負担・ご迷惑をお掛けすることは避けたいと考え、訴えを取り下げることといたしました」とコメント
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