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「光る君へ」ウイカ ききょう&まひろは「ひねくれた縁で…」“カチコミ”シーン「心で泣きながら挑んだ」

スポニチアネックス / 2024年11月10日 20時47分

大河ドラマ「光る君へ」第38話。ききょう(ファーストサマーウイカ・右)とまひろ(吉高由里子)は藤原彰子について語り合うものの…(C)NHK

 俳優のファーストサマーウイカ(34)が、NHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8:00)で強烈なインパクトを残している。藤原定子(高畑充希)の女房・ききょう(清少納言)役。主人公・まひろ(吉高由里子)との友情関係に亀裂が入っていく様を気迫いっぱいに演じている。クランクアップ直後のウイカに、話題のシーンについて聞いた。

<※以下、ネタバレ有>

 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などを生んだ“ラブストーリーの名手”大石氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。

 親友だった2人の歯車が狂い出したのは、第36話「待ち望まれた日」(9月22日)。ききょうは、まひろが描いた「源氏物語」によって一条天皇(塩野瑛久)の心が定子から彰子(三上愛)に移り変わったことを知る。ウイカは目をぱっと見開き、頬をピクピクさせながら、声を絞り出した。

 「あのシーンの心情には喜怒哀楽の全てがありました」。入り交ざった感情の中には、旧友が文学で名を馳せたことへのうれしさもあったという。その上で、「やっぱり怒りと悲しみが一番強い。“定子さまのために書いたものを打ち消して、一条天皇の心を移り変わらせるなんて、マジで敵のやることじゃん。え、嘘でしょ!?友達じゃなかったの?”という思い。声にもならなかった」と、ききょうの気持ちを代弁した。

 かつての輝きを失った瞳は、定子が亡くなってからの時間の重みを感じさせた。「定子さまが亡くなってからの数年を数分で表現しなければならないし、届ける任務、使命がある。となると、それだけ濃いものになる。“濃すぎる”と言う人もいますけど、どれだけ濃度を高めて出せるかだと思っています」と振り返った。

 ききょうとまひろの2人は、第38話「まぶしき闇」(10月6日)で対峙する。初めは「源氏物語」を褒めるききょうだったが、最愛の亡き定子、定子の仇である藤原道長(柄本佑)の名前を口にすると、音を立てるように感情が決壊していく。最後は目に涙をためながら、「源氏の物語を恨んでおりますの」と恨みをぶつけた。ウイカの鬼気迫る演技は大きな反響を呼んだ。

 ウイカは「作家性は違えど、『源氏物語』が面白いことは分かる。まひろを褒めることで先輩として、自分の地位を確立する。本当は怒りを見せずに、余裕を見せたかったはず」とした上で、「左大臣に頼まれて『源氏物語』を書いたと知って、“前から左大臣のこと好きじゃないって言ってたよね?なんで?私たち友達だよね?”という気持ちになった。大好きな後輩がめっちゃ嫌いな奴の弟子になった感じ」と、ききょうの思いを告白。「やかんの中の水が沸騰するようなグラデーションを出したいと思って演じました」と振り返った。

 また、ききょうは第41話「揺らぎ」(10月27日放送)で和歌の会に乱入。藤壺の雰囲気を凍り付かせ、毒を吐いて去っていく。まひろは変貌したききょうについて、日記で「清少納言は、得意げな顔をした、ひどい方になってしまった」と記した。2人の友情は決裂…。ウイカは「あれはつらかったですね。撮影日がくるのが嫌だなと思ったくらい。次のシーンのまひろの日記があるがゆえ、今まで以上に印象的なシーンでなければと。苦しかったですが、心を鬼にしながらも、心で泣きながら挑みました」と語った。

 ウイカは2人の関係について、「晩年の2人の関係を表すベストな言葉が見つからない」と考えあぐね、「因縁かもしれない。縁は縁でも因縁、腐れ縁。まひろは道長とも腐れ縁だったと思いますけど、ききょうともまた違ったひねくれた縁でつながっていたのだと思います」と語った。時間をかけて丁寧に紡がれ、ほつれた2人の友情。再び結ばれることはあるのだろうか。

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