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「打てる捕手」阪神・栄枝が2点適時三塁打 藤川監督も評価「彼にとってアピールになった」

スポニチアネックス / 2024年11月10日 5時17分

紅白戦で勝利し、ナインとタッチをかわす栄枝(右)(撮影・大森 寛明)

 阪神・栄枝が、打てる捕手としてアピールした。紅白戦に紅組の「6番・捕手」で先発出場。2―0の6回2死二、三塁で、佐藤蓮が投じたカーブを右中間へ運ぶ2点適時三塁打。2回先頭でも津田が投じた変化球を捉えて左前打を放っており、マルチ安打を記録した。

 「良かったです。前の紅白戦でしっくりきていなかった部分を修正できて、いいスイングができた」

 3日の紅白戦以降の中5日で打撃フォームを見直した。打撃コーチからのアドバイスを参考に、違和感の解消に取り組んだ。特に意識したのは、始動のタイミングと脱力。「ボールを長く見るために動くタイミングを早くした。あとは力みがあったので脱力してバットを走らせるイメージをした」。その取り組みを結果につなげた。

 「新しい捕手も入った。打つ方も、守る方も、全てでいいアピールをしないと年齢的にも厳しい立場になる」

 持ち味とする守備面では、安定感を発揮。4投手をリードし、零封リレーを演出した。入団からはや4年。その間ずっと、梅野、坂本の後塵(こうじん)を拝す日が続いた。とはいえ梅野は来年34歳、坂本は同32歳とベテランの域に入る。3番手捕手・長坂も右肘を手術して来季開幕は不透明。一方で自身は来季で大卒5年目と働き盛り。いつまでも控えに甘んじているつもりもない。

 「2軍の試合ばかり見させてもつまらないと思う。1軍の試合に出て楽しませてあげられるようにしないと」

 キャンプ地の高知出身で、この日は両親が観戦にも訪れていた。その前で、攻守両面の躍動。来季こそ1軍の舞台で輝きを放つ姿を見せたい――。その思いが、藤川阪神にとっても“孝行息子”誕生の原動力となる。

 指揮官からも「ああいう場面で打つのは彼にとってアピールになったかもしれません」と6回の適時打を評価された。来季こそ梅野、坂本の牙城を崩すため、“原点の地”で自身に磨きをかける。 (松本 航亮)

 ◇栄枝 裕貴(さかえだ・ゆうき)1998年(平10)5月16日生まれ、高知県出身の26歳。高知高では1年秋からベンチ入りも甲子園出場なし。立命大では1年秋からリーグ戦出場。20年ドラフト4位で阪神入団。22年10月2日ヤクルト戦9回に代打でデビュー。マクガフから右前適時打の初打席初安打初打点。1メートル80、85キロ。右投げ右打ち。

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