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市川團子 玉三郎に見初められた 「十二月大歌舞伎」で相手役に抜てき

スポニチアネックス / 2024年11月11日 4時57分

姫川図書之助を演じる市川團子(撮影・岡本 隆史)

 歌舞伎界のホープ市川團子(20)が十二月大歌舞伎(12月3~26日、東京・歌舞伎座)で人間国宝の坂東玉三郎(74)から相手役に大抜てきされた。團子が演じるのは文豪・泉鏡花が白鷺城にまつわる伝説を描いた「天守物語」の若き鷹匠・姫川図書之助。劇中、團子は玉三郎演じる天守閣に住む富姫と恋に落ちる。

 「まさか僕が…」

 出演の打診を受けた瞬間、去来したのは驚きの感情だった。

 昨年5月、市川猿之助(48)が事件を起こした際には明治座公演で猿之助の代役を務め、澤瀉屋の危機を救った。今年は澤瀉屋のお家芸であるスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」に主演し、5カ月のロングラン公演を成功させて評価を上げた。澤瀉屋から一歩外に出て主役級の役を演じるのは今回が初めて。しかも相手は人間国宝。思わぬ大役に戸惑いもあったが、すぐに気持ちを切り替えた。

 「祖父と同じ役をできるのはうれしい」。図書之助は1965年に祖父の故市川猿翁さん(当時猿之助)が故坂田藤十郎さん(同扇雀)を相手に演じた役。わずかに2~3枚残った祖父の図書之助の写真を見て、役のイメージを膨らませている。

 作品の演出も務める玉三郎からは泉鏡花全集を借り受け「自分で考え、自分で作った役で挑むように」との課題をもらった。「挑んだことがないタイプの作品。恐怖感と楽しみが同居しています」。新境地を切り開く重要な作品となる。

 ≪青学大と二刀流≫青学大文学部に在籍する團子にとって公演のない11月は「学校に通う月」でもある。役者との二刀流を目指しているが「ヤマトタケル」のロングラン公演中、学業はオンラインでの授業参加などに限られていた。専攻は西洋と東洋の文化などを比べる比較芸術学。授業では歌舞伎が題材になることもあるという。授業が終わると学友とカラオケ、ボウリング、ダーツに出かけ、キャンパスライフを楽しんでいる。

 ≪「襲名公演」終え市川團十郎、墓前に報告≫歌舞伎俳優の市川團十郎(46)が10日、都内の霊園にある先祖代々の墓前に襲名披露公演の完遂を報告した。墓参には息子の市川新之助(11)、娘の市川ぼたん(13)も参加。2022年10月末から先月26日まで計281回の公演を無事終えたことを報告し、團十郎は「ここからがスタート。十三代目としてのイメージはできた」と再び気合を入れた。

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