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森永卓郎氏 「106万円の壁」撤廃は「火事場泥棒」「官僚のインチキ具合」「しっかり監視しないと」

スポニチアネックス / 2024年11月11日 11時35分

森永卓郎氏

 がんで闘病中の経済アナリストの森永卓郎氏(67)が11日、ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」(月~木曜前8・00)に生出演。「103万円の壁」引き上げと「106万円の壁」撤廃の動きについて言及した。

 自民公明両党と国民民主党の間で「103万円の壁」見直しについての政策協議が始まった。「106万円の壁」を巡っても厚労省の審議会での議論が本格化する。

 これについて森永氏は「この103万円の壁っていうのばっかりクローズアップされてるんですけれども、実は所得が103万円を超えると、超えた分に所得税がかかってくるわけですよ。所得税住民税合わせて、所得の低い人15パーセントですから、1万円超えても、103万円が104万円になっても、何千円かで済むわけです、負担増は」と説明。

 「ところが106万円の壁っていうのは、それを超えると社会保険料がかかるんです。社会保険料っていうのは厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料がどんとかかってくるんですけど、この保険料率って年収の30パーセント、その内半分を労働者が払うわけですね。だから15パーセント。でもかかるベースが年収全体にかかるわけです」とし、「だから所得税の方は超えた分にかかるんですね。だけどこの社会保険料は年収全体にかかるので、この106万円を突破するとですね、例えば15万とかっていう負担がですね、ドーンと来るわけですよ。数千円と15万、めっちゃくちゃ違うわけですよ」と強調した。

 さらに「(国民民主党が)178万円に増やすって言ってるんですけれども、103万円の壁をね。じゃあこっちの106万円の壁をどう処理するのかっていう具体策っていうのがあんまり見えてきていないんですよ」と引き上げた場合の議論がされていないと指摘。「これ素直にやるんだったら、社会保険料の壁も同額引き上げれば、あまり問題ない」と持論を述べた。

 その議論は出て来ないのかと問われると、「ところがね、今厚生労働省が暴走を始めてですね。実はその106万円の壁っていうのは割と大きな企業、51人以上の企業で働いてるパートなんですけれども、その壁自体をぶっ飛ばして。実は中小零細企業で働いてる人って、130万円までは社会保険料かかってないんです。それの壁も全部ぶっ壊して、全員から社会保険料取ろうっていう」と森永氏。

 「厚生労働省はこのどさくさに紛れてですね、なんと200万人もの人を、新たに社会保険料を徴収する対象に加えようっていう」と憤ると、「私は火事場泥棒って呼んでるんです」と例えてみせた。

 「そういう、何って言ったらいいのかな、この官僚のインチキ具合っていうのが」とも話すと、「どうなるか分からないですよ。でもそこはしっかり監視しないとですね」と力を込めた。「これをちゃんと見とかないと、減税されるつもりが、みんな負担増になっておしまいっていう」と心配した。

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