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中村橋之助「衣が大きいだけのエビフライじゃ意味がない」父・芝翫、坂東玉三郎らの金言胸に大役挑戦

スポニチアネックス / 2024年11月16日 5時16分

受け継いだバトンを手に意気込む(左から)中村鶴松、中村莟玉、市川染五郎、中村橋之助、中村玉太郎、中村鷹之資、尾上左近

 歌舞伎俳優の中村橋之助(28)が、若手俳優の登竜門「新春浅草歌舞伎」(来年1月2~26日、東京・浅草公会堂)で新境地に挑む。初の座頭を務める公演では、第2部の「絵本太功記 尼ケ崎閑居の場」で武智光秀(明智光秀)役に初挑戦。父の芝翫(59)が40代で演じた大役だ。「大きな役を若い時に経験すれば、年を重ねた時に見える景色が変わる。いらんことをせず体当たりしなさい」と父に背中を押された。

 「本能寺の変」の後、光秀の最期までの13日間を描く。戦乱を生きる親子の博愛は見る人の胸を打つ。動く心情を、せりふだけでなく型でも表すのが歌舞伎。「全ての型、動きには意味がある。手足や首の動きだけをマネしていても、本質は捉えられないと坂東玉三郎さんから言われました。衣が大きいだけのエビフライじゃ意味がない。心にウソをつかず、ぎっしり身の詰まった僕だけの光秀を見つけたい」と決意を口にした。

 40年以上の歴史を持つ正月の風物詩。前回で卒業した尾上松也(39)らに託された緑のバトンを力に。新年は、中村鷹之資(25)、市川染五郎(19)ら7人で伝統をつないでいく。

 12月の誕生日で、29歳になる。20代最後の2025年。「まずは大役を全うし、30代の引き出しにしたい」と未来を見据えた。 (西村 綾乃)

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