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豊昇龍 危な勝った…天敵・熱海富士の勇み足に救われた 大関初Vへ全勝キープ

スポニチアネックス / 2024年11月16日 4時45分

<九州場所6日目>熱海富士(右)の勇み足で豊昇龍(左)は辛くも勝利した(行司は木村庄太郎)(撮影・成瀬 徹)

 ◇大相撲九州場所6日目(2024年11月15日 福岡国際センター)

 大関・豊昇龍が苦手相手に薄氷の勝利だ。直近の対戦で3連敗中の熱海富士の勇み足で勝ち星を拾って6連勝。大関初優勝へ大きな1勝を手にした。全勝の隆の勝に土がつき、勝ちっ放しは豊昇龍と平幕・阿武剋の2人で、1敗は大関・琴桜ら4人。新大関・大の里は初対戦の先場所に続き若隆景に敗れ、2敗に後退した。

 今場所はいつになく口数が多かった豊昇龍が不満そうな表情を浮かべた。全勝を守ったというのに、切れ味鋭いトークは封印。「危なかったです」と漏らすと「何より勝って良かった」と息をついた。

 熱海富士は過去2勝4敗で最近の対戦で3連敗中と苦手にしていた。「やりにくさはないけど、負けた相撲は全部胸が合ってしまった」。この日も出足鋭く踏み込んでいくが、右を抱えられ喉輪で後退し、俵に詰まった。土俵際で、懸命に相手の右腕をたぐって粘り、先に土俵を割ったかにも見えたが、行司の軍配をもらった。物言いがつき、審判団が協議した結果、熱海富士の左爪先が先に土俵を割ったと判断され、勇み足で勝ち名乗りを受けた。

 初日からの連勝は自己最長の6に伸ばし、大関8場所目で久々に存在感を示している。秋場所は千秋楽でようやく勝ち越し。周囲からは「前に出ない大関」など厳しい声も浴びたが、秋場所後にモンゴルの先輩である元幕内・東龍のサンドゥイジャブ・トドビレグ氏に「稽古はうそをつかない」とアドバイスされ、「その言葉が好きになった」と初心に戻った。10月の秋巡業からは前に出る意識を忘れることなく稽古に励み、納めの場所での好発進につなげた。

 土俵下の粂川審判長(元小結・琴稲妻)も「こういう勝ち方で余計に乗ってくるのでは」と勢いが加速することを予測する。豊昇龍は「明日は集中したい」と気を引き締めるが、完全に負けていた相撲を拾って流れは大関初優勝へ傾き始めた。

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