侍・森下 先制犠飛で「4番の仕事」 初戦から3戦連続打点「才木さんを援護できるような形に…」

＜日本・台湾＞初回、先制犠飛を放ち、井端監督（右）に迎えられる森下（左）（撮影・木村　揚輔）　

　◇WBSCプレミア12　1次ラウンドB組第3戦　日本3－1台湾（2024年11月16日　台北D）

　安打こそ、出なかった。それでも日の丸の中心で、この日も森下が輝きを放った。初回に決勝打となる先制犠飛で4番の役割を果たし、チームを3連勝に導いた。

　「追い込まれてしまったので、なんとか外野フライと思って。思いのほか、いい当たりになりすぎて、ギリギリになりましたけど、桑原さんが還ってきてくれたので良かった」

　1死一、三塁の先制機。カウント1―2から外寄り144キロ直球を捉え、右方向へはじき返した。打球は惜しくも野手の正面へ。だが、最低限の役割は果たした。先制点を生み出す右犠飛とし、これで今大会初戦から3試合連続打点。押しも押されもせぬ侍ジャパンの主軸として、その地位を確立しつつある。

　「打点にはすごくこだわってプレーもしてきましたし、自分がここに呼ばれたのは、そういうところの役割がしっかりできてこその選出だと思う。ヒットが出ないときでも、こうやって先制点を取れたことは次につながるかなと思います」

　この日は2打数無安打に終わり、今大会3試合通算打率・556（9打数5安打）と数字を下げた。ただ打点は5に伸ばした。打者として、かねて最重視する項目こそ打点。わずか3試合で大会前に「一つの目標として」と掲げた「10打点以上」の半分に到達してみせた。15年の第1回大会で中田翔が記録した大会最多15打点、19年の第2回大会で鈴木誠也がマークした13打点を、森下が追う。

　この日の先発は、同じ阪神の才木。先輩右腕の白星にもひと役買い「才木さんを援護できるような形になって良かった」と笑顔を見せた。