レッツゴーヤングで人気博した「奇跡の57歳」俳優 2人芝居に懸ける思い 異色の演出…客席が緊張?!
スポニチアネックス / 2024年11月17日 7時16分
【インタビュー】NHKの伝説的アイドル音楽番組「レッツゴーヤング」で1980年代に人気を博し、若々しいビジュアルとスタイルから「奇跡の57歳」と言われる俳優中村繁之がユニークな舞台を上演する。出演するのは、脚本も手掛ける女優・宮本順奈と2人のみ。上演中はお互い目を合わさずに正面を向いて物語を進め、客席からはまるで映画やドラマのカットバックを見ているようなスタイルをとるという。中村が初めて演出を担当。どのような作品になるのか。(鈴木 美香)
今月22、23、24の3日間、東京・浅草の「あさくさ劇亭」で上演する「THEふたり オーバーチェア」。殺人容疑で逮捕された父(中村)に面会のため、弁護士でもある娘(宮本)は留置場へ行くが、父は事件のことはまったく語らない。父親はなぜしゃべらないのか?中村と宮本の演技がその理由、背景を浮き彫りにしていく。
「極力動きを制限してやりたいと思っています。場面転換とか、セットで説明せず、自分たちの力、照明の力を借りてやっていきたい。お互いに一切目を合わさずに真正面を見てセリフを言っていきます。お客さんを相手だと思ってピンポイントで見つめていくので、緊張して、目線が外せなくなる人、逆に目を合わさないようにする人がいるでしょうけど、客席を見てセリフを言っていくことで、お芝居の迫力が伝わると思う」
中村にとって初めての演出だが、長年こうした試みの構想があった。今回の会場は収容人員が30人。落語会で使うことが多いという狭い空間での本番となったことで異色の演出を実行に移すことにした。
「留置場での面会なので、2人の間にアクリル板を置こうかという話も最初出たんですけど、なしにしました。椅子だけを用意して、“ここは面会室なんだ”とか、“回想シーンなんだ”とか、お客さんに想像してもらってやっていこうと思いました。腕が試されますね(笑い)」
現在、宮本とお互いの顔を見ながらの稽古も行い、相手がどんな表情をしているのかを記憶。本番ではそのイメージを持ちながらやっていくという。
「こちらのエネルギーが狭い空間に結構伝わって行くと思うので、プロが本気で芝居をしたらこんな感じですよというのも見てほしいと思っています。稽古で8、9割方作り、本番でお客さんを交えた空気が100%にしてくれる。ともにお芝居を作っていきたいと思います」
エネルギッシュで一体感あふれる作品が生まれる瞬間が楽しみだ。
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