兵庫知事選 稲村和美氏が敗戦の弁「斎藤候補と争ったというより、何と向かい合ってるのかという違和感が」
スポニチアネックス / 2024年11月17日 21時16分
斎藤元彦前知事(47)の失職に伴う兵庫県知事選は17日、投票が行われ、斎藤氏が元尼崎市長稲村和美氏(52)、日本維新の会を離党した前参院議員清水貴之氏(50)ら無所属6新人を破り再選を果たした。
稲村氏は神戸市の選挙事務所で報道陣に対応し、「この度の選挙、お力添えを頂いた皆様に心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。そしてご期待に添えなかったこと、お詫び申し上げます」と頭を下げた。
そして「私個人の感想としては、候補者の資質、政策を問うというより、何を信じるかということが大きなテーマになった選挙に結果的にそうなっていたというふうに感じている」と選挙戦を振り返った。
敗因を問われると「何を信じるのかどのような情報に基づいて投票行動を決めるのかというところについて、正直、課題が残った選挙戦ではあったのではないかと率直に感じます」とコメント。「正直、何が争点になったのかなという思いはあります。斎藤候補と争ったというより、何と向かい合ってるのかなという、そういった違和感があったのは事実です」と時折首をかしげ、言葉を選びながらゆっくりと語った。
「今回、斎藤さんはむしろ陥れられたというか……斎藤候補の言葉を借りると既得権益であったり、そういったものと戦おうとした結果、このような不信任に至ったというようなストーリーと言いますか。そのストーリー自体もメディアや県議会に一方的にやられたんだという部分があって」と斎藤陣営の主張に触れた稲村氏。
「そのストーリー自体、そもそも…うまく言えないんですけど。私は今回の選挙の争点は、行政運営のガバナンスの在り方がどうだったのかというところだと思っていました。けれども、そもそもそういったところからズレていく報道も増えた中で、選挙戦というところになったこともあるのかな。もしくは選挙戦が始まった後に、どのような情報が皆さんの前に出されて受け止められて判断の材料になるのかという点で、いろいろ考えさせられる選挙になった」と吐露。
そして「この結果が今後どういうふうになっていくのか、この選択の結果は皆さんが関心を持って見ていくことになると思うんですけど。いずれにせよ選挙の在り方は民主主義に関わることですので、民主主義や自治にこだわって政治の世界に入った者としては、いろいろ考えさせられる選挙でした」と話した。
選挙戦の情勢では稲村氏の優勢が伝えられていたが、SNSの盛り上がりを背景に斎藤氏が巻き返し、一騎打ちの大接戦と伝えられていた。
斎藤氏はパワハラ疑惑のほか、おねだり疑惑で批判の声が上がり、ワイドショーでも全国ニュースとして連日報じられる騒ぎとなっていた。そして、県議会の全会一致で不信任決議案が可決されて失職していた。
選挙戦の情勢では、稲村氏が優勢と伝えられていたが、パワハラ疑惑告発文書について「捏造だったのでは」という説、「既得権益に歯向かっていった斎藤氏が陥れられた」というような陰謀説までがSNSに広まっていった。さらに、無所属で出馬したN国党党首の立花孝志氏も「自分には票を入れないで」と斎藤を応援し、捏造説や陰謀説を後押しする演説を斎藤氏が去った後の街頭で行っていた。
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