数々の浮名流した火野正平さん 別れても女性からは恨み言聞かれず…あっという間に距離縮める恋愛の達人

1972年、スポニチ本紙の取材を受ける火野正平さん

　◇俳優・火野正平さん死去

　シャイで、穏やかで、優しく、その上、艶っぽい。少し鼻にかかった甘い声にも母性本能をくすぐる魅力があった。火野正平さんは「いずれ絶対に仲良くなるから早く決めた方がいいよ」といったセリフをつぶやきながら好意を抱いた女性との距離を、あっという間に縮める恋愛の達人だった。

　サービス精神旺盛で面倒見も良く待ち人がいるとどんな手段を使っても駆け付ける。こまやかで情熱的な気遣いに女性はほだされた。

　「自分から別れを切り出したことがない」というから5股6股は当たり前。相手女性の間でトラブルになりそうなものだが、火野さんの元を離れていった女性から恨み言は聞かれず「私と暮らして良かったと思ってくれるだけでうれしい」と別離後も愛された。

　「好きな女性のタイプはありません。みんなどこかいいところがあるんです。男が女のいい所、女が男のいい所を見つければ、世の中はうまくいく」。ひたすら相手の長所に目を向けるスタイルも女性に受け入れられた。