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八代英輝氏 年収の壁引き上げで首長からの税収懸念に提言「その方向性で行けば悲鳴は上がらない」

スポニチアネックス / 2024年11月21日 19時34分

八代英輝氏

 弁護士の八代英輝氏が21日、TOKYO MX「堀潤 Live Junction」(月~金曜後6・00)にコメンテーターとして生出演し、年収103万円の壁の引き上げをめぐる協議を受け、各地方自治体からの懸念の声についてコメントした。

 自民、公明、国民民主3党の政調会長は20日、国会内で会談し、週内に閣議決定する経済対策に、年収103万円を超えると所得税が生じる「103万円の壁」引き上げを明記することで合意した。ガソリン減税の検討も盛り込んだ。国民は178万円までの引き上げを求めているが、上げ幅や財源は、年末の税制改正で協議する。

 こうした動きに、東京都新宿区の吉住健一区長は同日、会見で、減収により区独自の行政サービスの継続が困難になるとし、「検証が不確かな中で結論を急ぐのはやめていただきたい」と訴えた。試算では、東京23区で住民税の減収が2400億円に上り、うち新宿区は約85億円の税収が減るという。葛飾区の青木克徳区長も、約90億円の税収減を訴えている。

 こうした声に対し、八代氏は「地方自治体が行う地域サービスて多様さを求められてますし、格差の中でセーフティーネット、給食の問題とかに関しても費用がかかると思う」と話し、行政サービスへの影響には理解を示した。

 そんな中、年収100万円で所得税、住民税の負担が生じる100万円の壁(自治体によって額は異なる)にも言及した。「所得税だと、結局住民税もいじってしまうと、103万円の壁を178万円に上げるのって、178万円の年収の方と5000万円の年収の方だと、10倍くらい節税効果が違う。結局、富裕者へのメリットが大きいんですね」。高額所得者からの税収が大きく減るため、「減収の効果も大きくなってしまう」と指摘した。

 その上で「そのツケを僕は地方に持って行くべきではなく、地方税に関してはもともと100万円の壁をいじらないというふうにやっていくべきじゃないかなと思います」と、調整の必要性を口に。「住民税の非課税枠の引き上げは必要ないだろうというスタンスです。そちらの方向性で行けば、地方からそういった悲鳴が上がることはないだろう」とも述べた。

 一方で地方自治体には、「これ以上、国からのひも付きの金を多くするよりも、地方が独自に集めて独自に使えるお金の割合を増やす方が、僕は必要だと思います」と提言していた。

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