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「素人状態」から来秋ドラフト候補の甲子園投手を打ち砕いた「清原Jr.の4年間」に再現性はあるのか 

スポニチアネックス / 2024年11月24日 11時29分

グラウンドを去る際、父・和博氏に帽子を振る慶大・清原(撮影・木村 揚輔)

 慶大・清原正吾内野手が野球引退を決断したことが24日、分かった。

 父は西武、巨人などでプロ野球歴代5位の525本塁打を放った父・和博氏(57)。堀井監督には22日に意思を伝え、この日朝に獲得の意思を示していた独立リーグ球団などに断りを入れた。中学、高校で野球経験なしも慶大の4番打者に成長し、プロ志望届を提出。ドラフト直前には2球団から問い合わせがあったが指名はならなかった。

***

 中学ではバレーボール、高校ではアメリカンフットボールに所属し、慶大では6年ぶりに野球を再開。それでも誰よりもバットを振り込み、今春のリーグ戦では4番に定着し、一塁手のベストナインも獲得した。

 今秋リーグ戦では来秋ドラフト候補の明大右腕・大川、早大のエース右腕・伊藤からアーチを放つなど3本塁打をマーク。仙台育英出身の伊藤、常総学院出身の大川ともに高校野球時代から有名投手で、2人とも甲子園のマウンドに立っている。1年後の25年ドラフトでは指名が有力視されている2人から放った価値ある本塁打だった。

 今秋にマークした3本塁打。打者としてのタイプは異なるが、今秋ドラフトの目玉として5球団競合で楽天に1位指名された明大の遊撃手・宗山でも2本塁打。高校野球どころか、中学でも野球経験がないにも関わらず、6年ぶりに野球を再開した清原は入部当初、バットにボールが当たらず、守備でもミスを連発の「素人状態」。そこから超スピードで東京六大学野球リーグを代表する打者に成長した。その歩みに再現性はあるのだろうか。

 4年間の歩みを見届けてきた堀井監督は言う。「一番はプロ目指してたってことと、プロってどういう環境って知ってたのがでかいと思います。彼、この4年間めっちゃくちゃ練習したんですよ。それがプロ野球ってどういう世界って身をもって知ってたので、そこに追いつき追い越せで時間を費やせたと思います。普通、あんな努力できないと思います。プロ野球になりたいだけだと、どんな世界か分からない。彼は一番近くに教材があったんですね。プロの一線で活躍するのはこういう生活なんだと。それを知ってたのはでかい。そういう意味ではちょっと特殊かもしれない」。偉大なる父の姿が目に焼き付いていたからこそ、異例のルートを駆け抜けられたのかもしれない。

 ◇清原 正吾(きよはら・しょうご)2002年(平14)8月23日生まれ、東京都出身の22歳。小3から「オール麻布」で野球を始め、中学はバレーボール部、慶応高ではアメリカンフットボール部でタイトエンドとして活躍。弟の勝児は慶応(神奈川)で昨夏の日本一に輝くなど2度の甲子園出場。1メートル86、90キロ。右投げ右打ち。

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