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石倉三郎 不遇時代に触れた国民的歌手の男気「それで(話は)終わった」

スポニチアネックス / 2024年11月27日 19時56分

俳優の石倉三郎

 ベテラン俳優の石倉三郎(77)が27日に更新されたYouTube「そのまんま宮崎」にゲスト出演。俳優としてブレークする前にお世話になった「恩人」とのエピソードを披露した。

 家族の反対を押し切って、石倉が俳優を志して大阪から東京へ出たのが18歳の時。アルバイトに明け暮れる中、行きつけの喫茶店でたまたま知り合った高倉健さん(2014年死去)の口利きで、東映に入社した。大部屋俳優として仕事をこなしていたものの、専属俳優になれる直前で事情があって退社。再びアルバイト生活に戻った。

 さまざまな仕事をこなしている時、「坂本九さんから電話があったの」と石倉はターニングポイントを明かした。「上を向いて歩こう」や「見上げてごらん夜の星を」など数々の大ヒット曲を持つ昭和のレジェンド歌手。1985年の日航機墜落事故によって、43歳の若さで不慮の死を遂げた九さんとは、舞台を通じて顔見知りになり、酒席をともにする関係だった。

 「サブ、どうしてるの? オレの(ステージの)司会やってくれないか、って言われて」。石倉にとっては、司会は全く未知の領域。本人は全く自信がなく、全国ツアーに出る前に、東京で予行演習のステージを踏んだものの、それを見た九さんの所属事務所社長が「九ちゃん、何考えてるの? あれ(石倉のこと)、チンピラでしょ。チンピラを司会にしてどうするの」と激怒したという。

 「(その会話を)たまたま、オレ、聞いたんだよね」。怒りとやるせなさで帰り支度を始めた石倉のところに、九さんがやってきて「おい、サブよ、行くぞ」と声を掛けた。石倉がことの顛末を話したところ、九さんは一笑に付した。「社長? 関係ないよ。お前はオレと付き合ってるんだから関係ないじゃないかよって。それで(話は)終わった」

 男気溢れる言葉に救われた石倉はそれから2年間、九さんのショーを名調子で盛り上げた。

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