阪神・前川「剛球破壊」でレギュラー獲り 今季150キロ超の直球に苦戦も「無駄をなくす」新打法で克服へ
スポニチアネックス / 2024年11月29日 5時17分
阪神・前川右京外野手(21)が28日、来季の正左翼手獲りへ「剛球破壊」を思い描いた。プロ3年目で初の1軍完走を果たした今季は打率・269。結果球が直球の場合、同・281に向上する一方で、球速が150キロ超えると同・220と一気に下降した。中日・高橋宏や巨人・大勢らが誇る「剛球」攻略へ、悪癖だった「バットの二度引き」を厳禁することを宣言。今オフの自主トレで進化を遂げる。
前川は課題すら大きな伸びしろに捉えた。今季、150キロ超のストレートに苦戦を強いられ、打率・220と沈黙。145~149キロの同・340を大きく下回った。“大台”まで数キロの差に過ぎないが「体感速度は全然違う」と吐露。来季、正左翼手の座を確固たるものにしたい21歳にとって「剛球破壊」が一つの鍵となる。
「150キロ超の直球をもっと打ったら、シーズンの打率も上がるということですね」
24年は打率・269、プロ初を含む4本塁打、42打点。1軍完走の高卒3年目が残した数字とすれば、十分合格点と言っていい。だが、若虎は上だけを見据える。「剛球破壊」を体得するために重要なことは何か――。自身のウイークポイントを挙げつつ、よどみない口調で答えた。
「無駄をなくすことですね。僕、バットを二度引きすることがあるので、一発で(投球に)パーン!と入りたい。コンタクトしないと、始まらないので」
「二度引き」とは、打席で構えた状態からテイクバックし、トップの位置に入れた後にもう一度バットを引くことを指す。右肩が捕手側に入り込むことにもつながり、体の軸や目線のブレも誘発。これを防ぐためには理想のフォームを手に入れる必要がある。「真っすぐ立って、打つ。疲れてきたら(背中)丸くなって、右肩が入ってしまう」。ピンと背筋を伸ばしたシンプルなテイクバックから、最短距離で投球にミートできれば、振り遅れも防止できる。剛球への対応力が自然に増すというわけだ。
「今年も調子が良いときはあったが、大幅に打率を上げることはできなかった。打球が野手の正面を突いたり、ハードラックが多かった。もったいない」
今季の連続試合安打は「7」が最長だった。「正面を突くのも、技術がないから」と分析。好調の波に乗り切れなかった1年を悔しそうに回想した。飛躍の4年目へ、今オフは「二度引き禁止」を念頭に置いた打撃フォームをじっくり体に染み込ませる。25年は冬に仕込んだ“新打法”を駆使し、スタンドへの大飛球を打ち上げる。その先に、前川と藤川阪神の新しい世界が待っている。(八木 勇磨)
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