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【関西大学ラグビー】天理大が4季ぶり奪冠 「見てくれている」亡き戦友にささげる13度目V

スポニチアネックス / 2024年12月1日 6時3分

<京産大・天理大>優勝した天理大フィフティーン(撮影・平嶋 理子)

 ◇ムロオ関西大学ラグビーAリーグ第7節 天理大31―15京産大(2024年11月30日 東大阪市花園ラグビー場)

 最終節の4試合が行われ、天理大が京産大を31―15で破り、6勝1敗の勝ち点30で4季ぶり13度目の優勝を飾った。粘り強いディフェンスで主導権を握り、4連覇を狙ったライバルに快勝。4季ぶりの大学日本一を目指す大学選手権は、22日の準々決勝から登場する。2位の京産大と3位の近大も大学選手権に進み、7位の摂南大と8位の関大がBリーグ1~2位との入れ替え戦に回る。

 漆黒のジャージーに身を包んだ天理大フィフティーンが歓喜を爆発させた。昨季、最終節で1点差の逆転負けを喫した京産大に対し、攻撃の要のNo・8ヴァカタの負傷交代もありながら計5トライで快勝。4季ぶりにリーグ戦を制し、小松節夫監督は「(京産大に)この3年間、ずっと勝てていなかったし、昨季も最終戦で悔しい負け方をしていた。とにかく選手たちがよく頑張ってくれた」と称えた。

 前半12分に先制トライを許しながら、同27分にフッカー寺西、同36分にプロップ松野のトライで逆転。京産大が得意とするモール攻撃で一歩も引かず、体重差で劣るスクラムでも我慢を重ねて流れを引き寄せた。春季トーナメントで4位に沈み、そこから徹底的に強化してきたのがFW陣のセットプレーだ。夏合宿では例年以上に時間を割き、FB筒口主将が「まだやるん?」と驚くほどだった。その努力が実った。

 昨年度の大学選手権準決勝・帝京大戦に先発したCTB上野颯汰さん(当時3年生)が今年1月に亡くなった。チームに動揺が走り、退部者も出たという。指揮官は「今の4年生のリーダーになるような中心選手だった。全体がショックを受け、すごく尾を引いた」と明かした。同学年の筒口にとっても悲しみは大きかったが「“颯汰の分も頑張ろう”と4年生で取り組んできた」。この日の試合前の円陣では「(上野さんも)上から見てくれていると思う」と言葉を発し、心を一つにした。

 4季ぶりに立った関西の頂点。だが、まだ通過点に過ぎない。「関西(王座)奪回、日本一を目指して取り組んできたので。(上野さんも)一緒に戦ってくれているし、一緒に日本一を目指したい。謙虚に、ひたむきに、泥くさく戦っていきたい」。準々決勝から登場する大学選手権。亡き戦友とともに頂点を目指す。  (西海 康平)

 ≪京産大は4連覇を逃す≫京産大は5連勝後に2連敗し、同校初の4連覇を逃した。前半12分にCTB辻野主将のゲインからWTB堤田が先制トライ。流れをつかんだかと思われたが、得意とするモールやスクラムで優位に立てなかった。前半で逆転されると、後半には3トライを許してリードを広げられた。「トライを取れるチャンスで取り切れなかった。(天理大に)すばらしいディフェンスをされた」と元日本代表の広瀬佳司監督。2位で進む大学選手権に向け、辻野主将は「やってきたことを出せた部分もあった。選手権に向けてもう一回、頑張りたい」と切り替えた。

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