「光る君へ」大石静氏「日本を代表する女優に」吉高由里子を大絶賛!難役で新境地「源氏物語」リンクの裏側
スポニチアネックス / 2024年12月1日 20時47分
◇「光る君へ」脚本・大石静氏インタビュー(3)
女優の吉高由里子(36)が主演を務め、紫式部/まひろ役に挑んできたNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)の放送も残り2回。吉高は左利きながら右手で書道シーンを演じ切ったのをはじめ、見事に大役を勤め上げ、重責を果たしている。「源氏物語」の内容を絡めた巧みなストーリー展開も話題。脚本の大石静氏(73)に吉高の魅力や作劇の舞台裏を聞いた。
<※以下、ネタバレ有>
「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などの名作を生み続ける大石氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となった。
大石氏と吉高のタッグは20年1月期の日本テレビ「知らなくていいコト」、23年1月期のテレビ朝日「星降る夜に」に続く3作目。「知らなくていいコト」には道長役の柄本佑も出演した。
新発見した吉高の凄さについて、大石氏は「これまでのドラマでは割と健気な役を演じられてきた印象ですけど、まひろは気難しくてトゲもあり、普通のヒロインとは相当違います。それが嫌みな人物にならなかったのは、吉高さんの演技力のおかげです。物を深く考えている様子や、台詞のない気難しい顔が本当に素晴らしくて、今まで見たことのない吉高さんでした。気難しさをこんなにも魅力的に表現できる役者さんは、他にいないんじゃないかとさえ思います。これまでの印象と全く違うだけでなく、この作品で日本を代表する女優になったと思います」。新境地を大絶賛した。
「源氏物語」そのものの劇中劇を盛り込むことは当初から採用せず。代わりに「源氏物語」のエピソードや登場人物を「光る君へ」に見事にリンクさせた。
まひろ(落井実結子)が籠から逃げた鳥を追い掛け、川辺で三郎(木村皐誠)と運命の出会いを果たした第1回(1月7日)、その様子が描かれた“褒美の扇”を道長がまひろに贈った第33回(9月1日)は「源氏物語」第5帖「若紫」を連想。「若紫」は、のちに主人公・光源氏の最愛の人となる若紫(紫の上の幼少期)が大事に飼っていた雀の子を、幼なじみの童女・犬君が逃がしてしまう。他にも「源氏物語」ファンが喜ぶ“仕掛け”が随所にあった。
「“まひろと三郎の出会いを『若紫』みたいにしたらいいんじゃない?”と最初におっしゃったのは(今作の時代考証を務める)倉本(一宏)先生で“あ、そういうふうにやればいいんだ”と思いました。その後は“ここは使えるな”と、その時々のひらめきで、源氏物語と私たちの物語を絡ませていきました。物語の神様が“ここ使っていいよ”と教えてくれたような感じですね(笑)。メーンはまひろと道長の人生を描くことでしたから」
まひろは「源氏物語」を完成。道長に別れを告げ、長年の夢だった旅に出たものの、異国の海賊による九州への侵攻「刀伊の入寇」(寛仁3年、1019年)に巻き込まれた。最終回へ「源氏物語」とリンクした運命を辿るのか。
=インタビュー(4)に続く=
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