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流行語大賞に「ふてほど」 背景は? “コンプラ縛り”の現代社会に対する「アイロニー」評価

スポニチアネックス / 2024年12月2日 14時31分

金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」キービジュアル(C)TBS

 年末恒例の「2024ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識選)が2日に発表され、阿部サダヲ(54)主演で今年1月期に旋風を巻き起こしたTBS金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」の略称「ふてほど」が年間大賞に選ばれた。最近3年間は野球界からの選出だったが、今回はドジャース・大谷翔平の「50-50」がノミネートされた中で、ドラマ界から11年ぶりの選出となる快挙となった。

 「ふてほど」は宮藤氏がオリジナル脚本を手掛けたヒューマンコメディー。主人公は1986年(昭和61年)から2024年(令和6年)にタイムスリップしてしまった“昭和のダメおやじ”体育教師の小川市郎(阿部サダヲ)。彼の“不適切”な言動がコンプライアンスで縛られた令和の人々に考えるヒントを与えた。

 毎回、昭和と令和のギャップなどを小ネタにして爆笑を誘いながら、「多様性」「働き方改革」「セクハラ」「既読スルー」「ルッキズム」「不倫」「分類」、そして最終回は「寛容」と社会的なテーマをミュージカルシーンに昇華。コンプラ社会に押し付けがましくなく一石を投じる宮藤氏の意欲的な筆が冴え渡り、SNS上で大反響を呼んだ。

 ドラマ関連ワードが大賞に選ばれるのは、2013年に大賞に輝いたTBS日曜劇場「半沢直樹」の名ゼリフ「倍返し」以来、11年ぶりとなった。

 昨年まで3年連続で野球界から年間大賞を輩出していた。昨年は、プロ野球で38年ぶりの日本一を達成した阪神の岡田彰布監督による「アレ(A.R.E.)」。22年はプロ野球・ヤクルトの村上宗隆内野手の「村神様」、21年にはエンゼルス時代の大谷翔平投手の活躍を表現した「リアル二刀流」「ショータイム」が大賞を受賞していた。

 今年、異次元の活躍を見せた大谷の「50-50」も候補に挙がる中で年間大賞に輝いた「ふてほど」。選考委員の金田一秀穂氏、辛酸なめ子氏、パトリック・ハーラン、室井滋、やくみつる氏、大塚陽子氏は、「ふてほど」ついて「大手自動車メーカーの認証不正、パーティー券収入の収支報告書不記態など、2024年は不適切事案が目白押しであった。一方、昨今強化されているのがコンプライアンス。企業は顧客・株主への社会的責任はもちろん、従業員一人ひとりにもハラスメントだ、働き方改革だと配慮が求められる」といい、「集団優先、滅私奉公で経済成長時代を生きた昭和世代にとってはまさにタイムスリップしたかのような激変である。この、昭和の時代に置いて行かれた感を笑い飛ばしてくれたのが金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』」と、選出の意図について「世相」と「ふてほどの世界」に言及した。

 「昭和の主人公が令和の社会で堂々と昭和のルール、人の道の原理原則を貫いて令和のルールに疑問符を投げかけながらも、対話することで物事を解決していく道を探る。時代がいつであれ、不適切なことは不適切なのだと教えてくれる」と語り「10月に行われた衆議院選挙、自民党の選挙公約が『ルールを守る』。国権の最高機関で法律を制定するセンセイ方の公約がこれ。不適切にもほどがありませんか?」と、皮肉たっぷりに説明した。

 やくみつる氏も「大賞に選ばれた『ふてほど』――この選出はまことにアイロニカルであったと思っているわけです」と、現代への“皮肉”として評価。「“言葉の保管庫”として毎年、その年を代表する語を選定し、顕彰もする中、二度と世に引き出せないものも出て来ている。近年であれば『歴女』や『カープ女子』、あるいは『オバタリアン』などジェンダ一限局の語は今やNG」と振り返り、「口にした当時は微塵も疑わなかったそれら封印語を敢えて世に問うかの『ふてほど』を大賞としたことは、選んだ側の自戒の念も含むものとご理解願います」と、自戒を込めてコメントしていた。

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