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緒形直人 19年ぶり朝ドラ「おむすび」で被災した人の気持ち代弁「しっかり辛い顔した演技届けたい」

スポニチアネックス / 2024年12月3日 8時16分

「おむすび」で生きる目標を失った靴職人を演じる緒形直人(C)NHK

 俳優の緒形直人(57)がNHK連続テレビ小説「おむすび」(月~土前8・00、土曜は1週間振り返り)で傷つき疲れた中年男性を好演している。朝ドラは「ファイト」以来19年ぶりの出演で「日常を丁寧に描く井戸端会議のような物語は朝ドラならでは。お声をかけていただき嬉しく思っています」と出演オファーを喜んだ。

 橋本環奈が演じるヒロイン米田結をはじめ、明るく前向きなキャラクターが多いドラマの中で、緒形が演じるのは唯一暗く、絶望の淵をさまよっているような人物。阪神大震災で男手ひとつで育ててきた最愛の一人娘を亡くし、12年間一歩も進めていない靴職人の渡辺孝雄に扮(ふん)している。しかし、ヒロインの家族らとの交流を通じて、少しずつ前を向き始めていく孝男の姿は、これからの物語の重要なパートとなっていく予感が漂う。

 そんな孝雄について、緒形は「地震大国である日本にはおそらくたくさんいると思う。ぼく地震も塞ぎ込んでいたと思います」と、その気持ちをくみ取る。そのうえで「心の復興は人それぞれ違います。こうした人達が現実にいることを絶対に忘れないでほしい。そういう意味でもしっかり悲しんで、しっかり辛い顔をした演技を朝から届けていきたい」と、自身の役割をしっかり胸に刻んでいる。

 孝雄を演じるに当たっては、さすがの役者魂を見せている。「なるべく孝雄に近づけるように、撮影中もそうでないときも独りでいるようにしています。食事のお誘いもいただくのですが、チームの中で異端児でありたいのであえてお断りしています」。朝ドラという長丁場でオフでも自分を追い込む姿はまさにプロフェッショナル。孝雄の物語にどういう結末が用意されているのかまだわからないが、共演者も打ち解けた表情で打ち上げに参加する緒形の姿を心待ちにしているに違いない。

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