古賀紗理那さん バレー界へ恩返し「指導をしていきたいのは目標」若年層の育成に関わる姿イメージ
スポニチアネックス / 2024年12月3日 5時2分
スポーツニッポンフォーラム制定「FOR ALL 2024」の表彰式が2日、東京都文京区の東京ドームホテルで開催された。グランプリには8月のパリ五輪の陸上女子やり投げで日本女子のトラック&フィールド競技初の金メダルを獲得した北口榛花(26=JAL)、特別賞にはバレーボール女子元日本代表主将でパリ五輪を最後に引退した古賀紗理那さん(28)が選出された。副賞として北口に100万円、古賀さんに50万円が贈られた。
特別賞を受賞した古賀さんは「このような賞を頂きとても感謝しています」と謝意を述べ「私は8月のパリ五輪を最後に選手を引退しましたが、これからは私を成長させてくれたこの競技に恩返しできるように活動していきたいです」と今後の活動についても言及した。
選択肢として挙げたのが、バレーボールの指導だ。監督、コーチなど本格的な指導者の道に進むことには消極的だが「指導をしていきたいのは目標ではある。中高生だったり、日本代表を目指したり、大きな目標を持っている選手を機会があれば指導してみたい」と若年層の育成に関わる姿をイメージしている。
「プレーに対する取り組み、スキルの部分もそうですけど、スポーツとの向き合い方など、私にできることがあれば」と自身が培った世界トップレベルの技術や競技に取り組む姿勢なども次世代に伝えていく。そんな夢を思い描き始めている。
プライベートでも現役時代とは違った充実した時間を過ごしている。大阪B所属で拠点が関西の夫・西田有志とは「夫がオフの日に東京に行ったりしているので、あまり一緒にいる時間がないのが現状です」という。
ただ、バレーボール中心だった生活は一変した。「朝起きたら、すぐに夫の朝食の準備をして、2人でペットの散歩に行って、お昼にトレーニングに行って、帰ってきたら、また2匹の散歩にもう一回行って、ご飯の準備をしてみたいな感じ。生活リズムが変わって楽しく過ごせています」とうれしそうに話した。
11月に都内で開かれたファッションイベントでランウエーを歩き、モデルデビューするなど新たなジャンルの活動にも挑戦している。「自分がトライできる仕事にはどんどんして、自分の経験にしていきたいなと思っています」。古賀さんの第二の人生からも目が離せなくなりそうだ。 (福永 稔彦)
【古賀さんに聞く】
――今年1年を振り返っていかがですか。
「最初にパリ五輪の出場権を獲るところからスタートして大変な道のりでしたけど、切符を獲ることができて、その大会で結果を残すことができたのは私にとって凄い経験になったと感じています」
――現役引退から約4カ月たちました。新たに挑戦したいことは見つかりましたか。
「特にはないですけど、健康に気を使いながら、生活していきたいなっていうのが一番ですね」
――北口選手に会うのは何度目?
「2回目です。去年の試合(パリ五輪予選)の時に来てくださって、その時に写真撮影もしました。いつもは試合で着るユニホームのイメージが強いので、ギャップで奇麗だなと思いました」
◇古賀 紗理那(こが・さりな)1996年(平8)5月21日生まれ、佐賀県出身の28歳。小学2年でバレーボールを始める。熊本信愛女学院高では3年連続で春高バレー出場。15年NEC入り。16~17年、22~23年、23~24年にVリーグ優勝に貢献し、いずれもMVPを受賞。22、23年皇后杯連覇を達成し、2年連続MVP。高校2年時の13年に日本代表初選出。21年東京五輪、24年パリ五輪出場。24年ネーションズリーグで銀メダルを獲得しベストアウトサイドヒッターに選出。パリ五輪後に現役を引退。夫は日本代表の西田有志(大阪B)。
≪朝日健太郎氏が乾杯音頭≫参院議員で環境大臣政務官の朝日健太郎氏=写真=が懇親会で乾杯の音頭を取った。自身もバレーボール元日本代表で、古賀さんとは同郷の熊本出身。「正直、引退はちょっと早いかなと思ったが、今はアスリートがスパッと次のキャリアに行くことも大事。古賀さんらしいなと思った」とあいさつ。「スポニチフォーラムに出席すると、大勢の人がスポーツを通して日本を元気にしていることが分かる。とても素晴らしいこと」と話し、「乾杯!」とグラスを高々と掲げた。
◇スポーツニッポンフォーラム 「スポーツで日本を元気にしよう」というコンセプトで開催しているフォーラム。開催は年4~5回で、そのうちの1回は表彰制度「FOR ALL」を設けている。表彰者は選考委員会を経て決定。(1)スポーツを通じて日本を元気づける顕著な働きをした個人または団体(2)社会貢献ならびに地域振興に寄与した個人または団体にグランプリ、特別賞が贈られる。
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