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【羽生結弦さん、語る(2)】「運命は偶然の連なり…奇跡感じて」表現したかった根源テーマ

スポニチアネックス / 2024年12月8日 8時12分

<Echoes of Life埼玉公演第1日>演技をする羽生結弦さん(撮影・小海途 良幹)

 フィギュアスケート男子で五輪2連覇し、プロとして活動する羽生結弦さんが30歳の誕生日を迎えた7日、埼玉・さいたまスーパーアリーナで新たな単独公演「Yuzuru Hanyu ICE STORY 3rd “Echoes of Life” TOUR」をスタートさせた。

 仮想世界を舞台に生きる意味を問う壮大な物語。プロジェクションマッピングなどの演出も駆使し「産声~めぐり」など多くの新曲を含む本編12曲、アンコール3曲の計15曲を熱演し、1万4000人の観客をとりこにした。以下は公演終了後の一問一答。

 ――文字が音になるという発想が面白い。どんな思いから生まれたのか。

 「元々、自分は光景、例えば色が音になっていたりとか、感情になったりとか。簡単に言うと、例えば赤っていう色に対して情熱って思う方もいらっしゃれば、それが恐怖と捉える方もいらっしゃる。そこは人それぞれの解釈なんだけれども、そういうことをより僕は音として、割と小さい頃から聞こえてきたタイプだったので。絶対音感があるとかではなくて、何となくメロディー的な感覚で聞こえてくるような感じがしていて。そういった自分の経験だったりとか、また、フィクションとして書く中で“この子にどういう能力を持たせようかな”っていうことを考えた時に、自分がトレーニングとしてやっている言葉の抑揚であったりとか、意味であったり、そういったものを表現することを物語の中に入れ込んで。全体を哲学が音として体に入ってくる。その哲学が音楽になってプログラムができあがる、みたいなことを、いろいろ発想を伸ばして書いていった物語です」

 ――公演中、思わず書き留めたくなるような言葉がたくさんあった。一つ選んで思いを語ってもらいたい。

 「本当にいろんな哲学書、生命に対してだったりとか、自分が大学で履修していた教授の本であったりとか、そういったものを読み直してつくってきたんですけど。運命が偶然の連なりっていうことを、哲学書をいろいろ読みながら学んでいって。本当に凄く凄くもろくて“なんでこんな偶然がつながっていったんだろう”っていうような運命が人それぞれきっとあるんだろうなって思って。それが皆さんの中でいろいろ振り返った時だったりとか、現在進行形で運命を感じているような時に、めったに出合えないような、こんな偶然の出来事に出合えたんだっていう喜びであったりとか。奇跡みたいなことをぜひ感じてもらいたいなって思ってつづった文章の一つです」

――新作衣装も多かった。今回思い入れの深い衣装は。 

「やっぱり(主人公)NOVAの衣装ですかね。今まで映像の中と、実際に演技するっていう衣装のリンクっていうことを今までしたことがなかったので。正直、本当にファッションに使えるような服を氷上で着るということは結構難しかったのは難しかったんですけど、でもやっぱりNOVAという主人公の衣装にはかなり思い入れが強いものがあります。また今回、フィギュアをずっと専門にしてくださっている方も含めて、また新たにフィギュアをつくってこられなかった方も参加してくださって。本当にいろいろ、何着も何着もアレンジを繰り返して作り上げた衣装たちもたくさんある。もちろんRE_PRAYであったりとか、GIFT、プロローグとはまた違った毛色のアイスストーリーになっていますし。そういった衣装も含めて、フィギュアっぽくないっていうか、Echoesじゃないと見られない衣装の布感だったりとか、そういったものもぜひ感じてもらいたいなって思っています」

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