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“紀州のドン・ファン”28歳元妻に無罪 元検事が指摘する重要証言「検察には痛い証言だったと思う」

スポニチアネックス / 2024年12月12日 18時6分

和歌山地裁前には傍聴券を求めて300人が並ぶ

 元東京地検特捜部検事で、弁護士の中村信雄氏が12日、フジテレビ系「Live News イット!」(月~金曜後3・45)に出演し、和歌山県田辺市の資産家野崎幸助さん(当時77)を殺害した罪に問われた元妻須藤早貴被告(28)に無罪判決が下されたことについて見解を語った。

 「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野崎さんに対し、須藤被告は18年5月、何らかの方法で致死量の覚醒剤を摂取させ、殺害した罪に問われていた。犯行を立証する直接証拠に乏しい中、検察側は須藤被告が薬物を購入したとする元売人の証言や、被告が死亡前後に「覚醒剤 死亡」「完全犯罪」などといった言葉をネット検索していたことなど、あらゆる状況証拠を積み重ねた。しかし、薬物の摂取方法などで十分な立証ができなかった。

 一方で須藤被告は、ネット検索について「不気味な事件を調べることは好きだった」と、あくまで興味からの検索だったと主張。弁護側も「薄い灰色を何回重ねても黒にはならないんです」などと無罪を訴えていた。

 この日の公判では、「被告人に渡された物が覚醒剤とは言い切れない」「野崎さんが誤って過剰摂取した可能性を否定できない」などと判決理由が述べられた。中村氏は「犯罪を立証するということは、100%確信の立証が求められている。自分で誤って飲んだ可能性を100%排斥しきれていないと(いけない)。そのへんが検察の一番弱いところだったんだろう」と述べた。

 11月の公判では、須藤被告と取引した人物とは別の元密売人が、「覚醒剤ではなく氷砂糖だった」などと証言した。

 これについて中村氏は「検察には痛い証言だったと思う」と分析。「判決の中でも、“渡されたものが覚醒剤だったかどうか言い切れない”という表現があったと思う。ここにつながってくるので、まさにこれが覚醒剤を渡しているということになれば、違う認定もあり得たかな」とも推測していた。

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